英国人の彼女 6年間の遠距離恋愛の末、イギリスに嫁いできました。ロンドンで息子と3人で暮らしています。
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わたしは直球しか投げない。
もともと嘘をつくのは苦手で、 苦手だと思っているうちに自分をごまかす嘘はつかなくなった。 もちろんそこはいい大人だし社会人なので 思っていても言わないこともある。 でも思っていないことは言わない。
どうやらこの性格は経営コンサルタントという仕事に あまり向いていないらしく、事あるごとに 「変化球を投げることを学べ」と上司に言われ続けてきた。 外資系企業がクライアントの場合は構わないけれど、 コテコテの日本企業には言っていることと 考えていることが違う人はずいぶんいるのだから、 もっとうまく世間を渡れ、と。
いまの上司になってから1年間 それについてずっと考えてきたけれど、 結局、変化球は投げないことにした。 変化球を投げた方が仕事はしやすいのかもしれないし 人生うまくいくのかもしれない。 でも、それはわたしの人生ではない気がする。 あまり親しくない目上の人からは生意気だと、 下の人からは怖い人だと思われているのも知っているけれど 親しくなれば、ただ単に不器用であることをわかってくれる人もいる。
直球しか投げないわたしは、 相手も直球を投げてきていると思いがちで 騙されやすいのかもしれないけれど、 これまでひどく騙されたことはないし、 なんとなく、人ってそんなに簡単に誰かを騙したりしないと思う。 言わなくてもいいことまで言いがちなので 面倒くさい人だと思われてもいるだろう。 友達は昔から少ないし 誰からも好かれる性格では、残念ながらないけれど そこを悩むにはもう年を取りすぎている。
だからわたしの言葉は、わたしの気持ちを映している。 でも、直球しか投げないわたしには、 ボールを投げ返してくれない人の気持ちが、よくわからない。
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