津島修治(太宰治):大高洋夫 中北芳吉:すまけい 佐藤浩蔵:梨本謙次郎 山田定一:松田洋治 チェリー他7役:旗島伸子 青木ふみ他7役:梅沢昌代
観劇の決め手は、『井上ひさし氏作の太宰治の生涯』だということでした。 12月の不忠臣蔵に続いて、たった2度目ですが、俳優さんで決めなかった舞台です(笑) たまたま不忠臣蔵も、井上ひさしさんの原作でしたね・・・。 これは、本当にたまたまです(笑) わたしは太宰がわりと好きで、そうはいっても文学少女(死語?)でもなかったので夢中で読みもしませんでしたが、でもまあそこそこは読んでいたわけで、その生涯にはやっぱり少々興味があり、ある程度うわさは知っているというわけでした。 しかし、この舞台では、そんなうわさな部分の太宰には一切ふれられていませんでした。 大地主の家に生まれながら、末っ子だったため、お金は十分あるけれど、親や家族の愛情にひどく飢えた少年時代を過ごした津島が、東京帝大文学部に入学するため上京し、学生下宿で得た二人の友と16年間に渡って交わす友情の物語・・・。 小説を書いていたり、心中事件を起こしたりする場面は直接は出て来ません。 当然「生涯」ですから、途中でどんどん有名な作家にもなって行き、自殺未遂もしているのですが、そんなことはこの物語の中心には無いのです。 小説やうわさからは想像出来ない、太宰の人間臭い面に、ふれられた気がしました。太宰に、こんな友たちがいたのなら、こんなに大切なものがあったのなら、わたしが言うのも変な話ですが、ちょっと救われるというか・・・・・。 良かったなぁ・・・と、思いました。 津島(太宰)役の大高さんは、病的なところ、おぼっちゃんなところ、神経質そうにみえるところなど、写真で見る本物の太宰と重なる部分が多く、適役だったと思います。とぼけた感じやどこか抜けている感じも、いかにも!でした。さすがです。 ただ、初演は風間杜夫さん、再演は渡辺いっけいさんだったということで、このお二人ともにとても興味があります。 特に、渡辺いっけいさんは、とっっっても観たかったです・・・。 素晴らしかったのは、すまけいさん。凄いですね。本当に凄いです。何者か?と思います。この役で、紀伊國屋演劇賞個人賞を受賞されたことがあるらしいですが、同然です。本当に、参りっぱなしでした。 松田さんも、子役さんの頃テレビでよく観ましたが、とても立派な役者さんになっていらっしゃったのですね。ベテランに劣ることなく、さわやかに味のある演技をみせて下さいました。 女優さんお二人も、8役ずつ、見事な変身ぶりで、本当に素晴らしかったです。 最後は、梨本謙次郎さん。わたしは、梨本さんが一番好きでした(笑) 共産主義者ですから、とことん赤にこだわるのです。 逃げる地名にも、全部「あか」がつき、使う偽名もすべて「あか」から始まり、板前になれば「あか」のつく料理ばかり出す(爆) いつも必死で、一生ひたむきで、愛すべき存在でした。 舞台は回転式になっていて、場面が変わるごとに暗転し、セット替えがありました。 暗転のとき、舞台空中に映画の字幕のようなもので時々説明があったのも、レトロな雰囲気を感じさせ、わたしは好きでした。 音痴だったかもしれないと言われている太宰が、それでも口ずさんでいたという「港が見える丘」という歌が流れました。 とてもモダンで、いい歌だと思いました。
ということで、こまつ座、凄いですね。 前売りは完売ですが、補助席まで満員、年齢層は高めでした。 サザンシアター11列目。とても観安かったです。
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