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2003年05月23日(金) 「僕らの自由を 僕らの青春を 大袈裟に言うのならば きっとそういうことなんだろう」(奥田民生)

『ばかのハコ船』(→公式サイト)という映画を見た。とてもいい映画だった。私のリアリティ(というのか、「世界観」といのかもやもやとした言葉しか出てこないが、とにかくそういうもの)とぴったり重なった。

うだつのあがらない若者たちが、悩んだり一輪車に乗ったり喧嘩したり、マンホールに落ちたり彼女以外の女とセックスしたりしながら、埒のあかない日常と非日常を繰り広げていく。全く作風は違うのに、『リリィシュシュのすべて』と同じ感覚(=強烈な共感)が胸に残った。格好わるい、何もない田んぼだらけのぬるい郊外、田舎が、日本には一体どれだけあるのだろう。

私はここ、埼玉北部で生まれてここで育った。そして思う。どうしたら、「北欧出身の新進ロックバンド」や「アメリカンドリームを夢見たエミネム少年」にシンパシーを抱くことができるのだろうと。

自分の代弁者のような作品に出会い、立ち位置を確認する。それは同時に、まわりとのコントラストが浮き彫りになることでもある。相手をよく理解もせずに、感覚だけを共有した気になっていた、そう、消費していただけであった他者の存在についてふと考えさせられるのだ。


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