2005年10月03日(月) |
もう少しで元に戻します。 |
彼が村上龍が好きだというので、「村上龍と週刊誌が好きなのはあなただけですよ」と言ったら、彼は本当に呆れて笑って「そんな人はいっぱいいるよ」と答えた。村上龍と週刊誌が好きなサラリーマンは世の中にたくさんいるらしい。
私のまわりには、村上春樹とマルタンマルジェラが好きな人ばかりだったから、気が付かなかった。
「ああ、はいはい」とカテゴリーわけできるリアルを、ひっくり返して皮肉って、裏から見て一周した後もう一度表に返して笑い飛ばしたり言い換えたりする。そんなことばかりをしてきた。そうして結局行き止まりの所を、反対から見て「行き止まりじゃないよね」と言ってきた。
そういうウィットを、虚しいだとか醜いだとか、そんなことは思わない。辛くなることもあったけれど辛くないこともあった。
今は、けっこう毎日楽しい。村上龍の『最後の家族』を借りて読んだ。面白い小説だった。「村上龍はさ、ホワイトバンド付けててもいいんだよね。たぶん。許せる。村上龍はさ、面白い小説が書きたいだけだと思う」。
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