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2006年07月29日(土) 人が息をすること

「戸越銀座はいいとこだよ。でも何にもないよ。忘れられた商店街って感じだけど、さびれてもない。人が住んで、生活してっていうのはこういうことだよね、こういう場所が自然にできるよねって思える場所」。

彼が電車の中で良いことを言うので、ひとり五反田から池上線に乗って、戸越銀座という駅で降りた。目的はなく、予備知識も、ガイドブックもゼロだった。

近所の人でにぎわう商店街をぼんやり歩いた。長い。全ての店が生き生きと、淡々と、今日の業務を続けていた。電気屋のおじさんと向かいの八百屋のおじさんが会話している。

「打ち水イベント」なるもののために、小学生の子供たち、カメラを構えた親たち、地域の重役らが集まっている。「打ち水機」(正式な名前は違うと思う)という壮大な装置の除幕式も執りおこなわれていた。

打ち水機(仮)の近くは涼しいが、少し離れるとまた日差しが襲ってくる。かき氷屋に入りたかったが、よそ者が小学生たちの夏休みの風景を邪魔してはいけない気がして、通り過ぎる。

一本路地を入ると、住宅街がある。エプロンをしたおばさんらが、自転車をこいでスーパーに流れてゆく。周りにはひとり暮らし用のアパートよりも、家族が購入するタイプのマンションが多い。

街の本屋にはいると星野博美『のりたまと煙突』が平積みしてあり、直筆のポップが掲げてある。作家はこの駅の出身だそうだ。


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