the theory of delusion
2003年02月23日(日)
……おろろーん。

腹痛い(苦笑)
今日は変な執筆ばっかりしてます。
エロ陰陽師だったり、エロ自殺志願者だったり、エロファンタジーだったり。
全部エロなのは、私の頭がおかしいから(ぇ)
つかね……なんか書きたくなっただけなんだけど。
……なら続きかけよって声が聞こえるような(爆)

……が、頑張ります(爆)


でも頑張れない私は変なものをここにアップ(笑)
もう一つの「voice...」

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 木々たちが葉擦れの音を奏でる。
 吹き抜ける風は、もうすぐ訪れる冬の冷たさを知らせていた。
 貴利は母に持ってきてもらったMDウォークマンとマイクを手に木の下に腰を下ろす。
 体はもう、あまり自由には動かない。
 薬の副作用で弱った体に叱咤しながら、体を無理に動かして貴利はこの場所まで来ていた。
 自分の生まれ育った街の、一番大好きな景色の見える場所を。
 音だけでもいい。
 最も愛したあの人に伝えたかったから。

 医者に余命一年と告げられ、置いていってしまうことになる恋人に別れを告げた。
 あの日、「別れたくない」と泣いた飛鳥の顔が今でも目に焼きついて離れない。
 貴利は一度、目を閉じた。
 ゆっくりと息を吐き出して、再び目を開く。
 そして飛鳥に言葉を伝えるために、録音ボタンを押した。


「…………飛鳥? 俺の声なんて、もう聞きたくないかもしれないけど、よかったら最後まで聞いてほしい」

 貴利はそこで言葉を止めた。
 風が吹いたからだ。
 木の葉が風に舞う。
 それを見つめながら、貴利は何かを決心するかのように小さく息を吐く。
 そして、再び話し始めた。

「本当は直接会いたかった……だけど、衰えていく自分の姿を飛鳥にだけは見せたくなかった」

 体は本当に衰えている。
 体重は二十キロ近く落ち、体は情けないほどに細い。
 こんな体を愛する人には見せなくなかった。
 それは、ただの男の意地かもしれない。
 だけど、飛鳥の記憶の中の自分は……いつまでもあのときの姿であってほしいから。
 一番幸せだった、明日に何の不安も抱いていなかった自分のままで。
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貴利視点の「voice...」両方の視点から描きたかったんだけど、切ない系は得意ではないので……精神力が続かなかったらしい代物。ということで、ボツ作なんですけど。
ちなみに貴利はすごく好きなキャラです。
愛する人には一番自分が元気だった日の姿だけを思い出して欲しい……そのために別れを告げた。それはただのワガママだけど、そう願ってしまった彼が私はなぜかすごく愛しくて。
バカみたいだけど、こういう意地っていいよね。
って……眠いから自分でも何書いてるのはわからなくなってきた(爆)
……さーて、寝よう。
氷欧[ hiou ] 




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