罅割れた翡翠の映す影
目次|過去は過去|過去なのに未来
確かに眠い。 睡眠時間少ないし。 でも、立ったままで意識飛ぶのはやばい。 集中してる時は大丈夫なんだけど…。 少しヒマになって多少ストレスかかるとすぐ意識が遠くなる。 下手すると十分単位程度で気がつく時もある。 周りが騒いだ様子は無い。 …、誰出てたんだろ。 いつも宣言して代わる訳じゃないから、そういう時は全く不明。 この間に誰かを傷付けたなら、僕はここを出て行く。 最悪、首を掻き切ってでも止めてみせる。 剃刀なら肌身離さずに持っているから。 頚動脈を縦に裂いて、数十分で終わる。 万一死ななくても、その場凌ぎにはなる。
…恐いよ?意識飛ぶのも、死んじゃうのも。…剃刀もね。 でも、誰かを傷付けるのはもっと嫌だ。 身体に染み付いてた、ただ相手を効率良く傷付けるための動き。 僕等の内誰かが、いつかそれを使わないって保障はないよ。 こんな強さが欲しかった訳じゃなかった筈…なのにね。
昏い眠りに誘う囁きに負けない強さが欲しい。今は。 暗闇で黒衣を纏った自分を見失わない強さが欲しい。未来を夢見る為に。
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