罅割れた翡翠の映す影
目次|過去は過去|過去なのに未来
今、缶太…だかアタシ達にだか、惚れてるヤツがいるわ。 でも、何回か会ってみても身体目当てかしら、って思う。 好き好き愛してる言うのも缶太にとっちゃ嬉しいかもしんないけど、 アタシには全然本当の好きに聞こえない。 アタシ達が支えたりしてあげられる事はあっても、 アタシ達を支えるにはあまりにも力不足。
当然、缶太は自分の事なんか話せる訳ないわよ。 あの子は話す時、相手に倒れる程重荷を背負わせるような事はなるべく話さない。 誰にだってなるべく頼らない、頼っても最小限。 その辺がいまいちユルい缶太の心さえ開けないなら、ダメよね。
器が広くて、強い人が欲しくても。 それは同時に弱さをいっぱい抱えてるからこそ、広く、強いのよ。 缶太は他人(好意のある人間)を煩わせたりして嫌われるのが嫌いなの。 なにせ本当はまだ子供なんだから。 下手に頭と勘が回って想像力が暴走気味だから、人付き合いも本当は苦手な子。 しかもあの子はよく痛い所ついてしまうから。 人に思いなんか告げられるかわかんないわね。 だから押しに弱いし…。
だーかーらー、あんなのにほいほい付いてくんじゃねーってのよ(怒)! 四六時中セックスの事しか頭に無いよーなヤツに好きって言われて嬉しい? セックスしたいだけなら割り切るか別れんのね。 いずれにしろそうなるんなら、早い方がかえって気が楽だわよ。 あんまり時間も無いんだからね…。 残ってるほんの少ししか無い時間を、そんなユルいヤツに使わないで。 アタシが出ていられる時間はそのなかの更にちょびっとなんだからー(笑)!
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