罅割れた翡翠の映す影
目次過去は過去過去なのに未来


2001年08月08日(水) ピアス 缶太郎

開けました。右耳に。
別にもう、バレようが何だろうが構わない。
格好も既に普通じゃないし、今更右ピアスなんかしても確認事項だろう。

でも、やっと自分の格好になってきた。
ミノルとは全く違う格好だけど、これが自分のスタイルだなって。
アイツはピアスもコンタクトも指輪もチョーカーもブレスもしなかった。
飾り気の無い、くすんだ黒がアイツのお気に入りだった。
色の趣味は似てるけど、ね。

おかげで今日は一日頭痛が引かない。
寝てるはずのアイツがずっと反対してるみたいに。
心臓が痛くなった。右目も、痛くなった。
尖った何かを、どこでもいい、身体のどこかに突き刺したくなった。
結局引っかく程度で終わった。傷なんか残らない。
指をズタズタにした痕だってもう治りかけてる。
もう薬液が染みもしない。

いつも僕は笑っているよね。
その影でいつもルミは泣いているね。
フェイ…翡翠も、ずっと泣き喚いてる。
『帰りたい。助けて』
どこへ帰れって?
誰に助けてもらうって?
帰る所なんかもう無い。進むかのたれ死ぬだけ。
助けてもらうなんて出来ない。きっとその人も悲しむから。
だから、笑って、道化師を振舞って、…。

僕だって帰りたい。場所が在るならば、許してくれるなら。
僕だって泣き喚いてしまいたい。心で抱きしめてくれる人がいるなら。
でも、それをしたら僕は壊れてしまいそうで。
だって、僕は辛いことをいっぱい詰め込んで封をした缶詰だから。
開いてしまったら、パンドラの箱になる。
中身をどこかに封したまま、缶を開ける方法があるかい?
だから僕は決して心を開かない。
それは正しい事なのかな?


Jade |MAILBBS

My追加