罅割れた翡翠の映す影
目次|過去は過去|過去なのに未来
大会の結果。 はい、駄目でした。 まぁあんなので入賞したら他の人も浮かばれないわな。 つーわけで終わり。
最近、無性に人恋しい。 誰かに抱きしめられていたいって欲求がずっとある。 「抱きしめたい」じゃなくて、「抱きしめられたい」。
好きだって言ってくれる人を、受け入れる事は簡単。 でも、彼らの見てるのは自分の外見や、強さの部分だけ。 僕の弱さを知れば、必死で否定する。 好きな部分が違うって判れば、裏切られたって思うのかな。
僕は弱い。 自分がとても弱い存在だって事を、苦しいくらい理解してる。 だから、自分を強く保とうとする事も出来る。 根底の部分から強いんじゃないんだ。 ライオンが強いのは、ウサギよりも臆病な心を持っているから。
僕たちの事を、空気のような存在と言ったヒトがいる。 当り前のように存在して、そばにいて。 居なくなると途端にその重要性を認識出来る。 限りなく軽く、それでいて限りなく確実に存在するものだって。 居なくならないと判んないのかな。
掴み所が無くて、 フォローもすれば、 甘えてくれば向かい風にもなる。 気紛れで、 何時の間にかそこに居て、 また駆け抜けていってしまう。 瞳の色の変わる度、 そよ風にも嵐にもなり、 留まっているからといって 捕まるわけでもない。 いつでも一人で、 飄々と何処かへ行ってしまう。
一人で何処へでも行ってしまうことも、好きだよ。 でも、それは趣味に近いものであって、 一人じゃなきゃ居られないって事じゃない。 人間が一人で生きていけないって事、 黒の記憶は教えてくれる。
僕の名を呼んで、 会える時には抱きしめて。 僕が本当の風や空気じゃない事が判れば、 捕まえられるのに。
彼らの恋してるのは風や空気。 その捉えどころの無い強さ。 僕を愛してくれるわけじゃない。 臆病さを根底に持っている事を知られたライオンを、 彼らはどんな目で見つめている?
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