罅割れた翡翠の映す影
目次|過去は過去|過去なのに未来
日曜深夜〜月曜昼にかけてはしゃぎ過ぎたよーで。 反動か、鬱真っ盛り。 チョップカットしながらわざと指さっくりいってたり。 いい加減コレぐらいじゃ痛くねぇ。 確認作業にもなりゃしねぇ。
思考が、停滞する。 ついさっきまで考えていた事が消えてしまう。 ボーっとしてる。 『恋でもしてるんじゃないか』 なんて思われたけど、違う。 狂おしい程に思考を支配するモノが無いんだから。
命令や仕事が入るとスイッチは入る。 いつも通りこなせる仕事。 思考は止まったままでも、進んでいく仕事。 ぼぅっとしながら、自分の仕事を見つめる。 …あれ、これは本当に僕がやってんの?
確認で、無理矢理に手をもう少し下に動かす。 ハサミを持った手を。 僕の指に向けて。 そのまま、勢いでハサミを閉じながら、上へ。
結果。 僕の思考通りに手は動いた。 指から出血した。 痛くは無かった。 感触は、在る。 消毒、止血、創傷部保護。 滞り無く出来た。
…当り前だっつーの。 馬鹿は僕だ。
…思考と行動が阿呆らしい程一致しなかろうが、 自分の意志で自分の身体は動く。当り前だ。
当然だ。 だけど、この身体はその大前提を裏切る。 腕が動かなくもなるわ、 口から勝手な言葉が出るわ、 自分の首を全力で絞めてくれるわ、 身体中盛大に掻き毟ってくれるわ。 あげく知らない間に失踪&自殺未遂&カミングアウトするとか。 財布の中身は減ってるし 気が付いたらオジサンが横で寝てたり(無論全裸) あまつさえ出血してた日にゃ僕ぁどうしようかと。
仕事や他人に支障が無ければいい。 そう思って今までをやってきてるけど、 …どうなんだろう。 今日は、身体が自分の意識から離れた気がして、確認して、大丈夫だった(?)。 でも、本当に身体の自由が効かなくなっていたら? そうなってからでは、遅い。
この一年半、失踪くらいで済んでるのはマシなのかもしれない。 マシな内に、そろそろ辞めておくべきか。 辞めて、あの人達の所へ戻って何かしらの『決着』を付けるか、 それとも生涯あの人達から逃げ惑うか。 または、此処に残って危険な賭けを続けるか。 …どれも僕含めて誰かしらの生命を危険に晒すケド…。 他人を決して危険に巻き込まない手段は在っても、結果が卑怯に思えるから却下。 …迷う、どれも選べない、選びたくない。 思考が、止まる。
…つまり、僕は逃げてるんだなぁ…。 いつも、『帰りたい、帰りたい』って思ってるもんな。
帰る所なんか、無いのに。
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