罅割れた翡翠の映す影
目次|過去は過去|過去なのに未来
あわただしい休日。 その方が救われてる。
月一で僕にカットを依頼してくれる子が居る。 命の恩人でもある。
とても感受性の強い子である。 しかし、その受け止めたたくさんの事を表現する方法が、 彼にとってはあまりに少ない。
言葉や文章では伝えきれない。 自分の感じたそのままを、理解させる手助けすら困難。 失語症になった時の事を思い出すと、彼は言った。 限られた能力の中で、相手に判ってもらおうと行動する事が。
大人になりたい。 賢くなりたい。 相手を納得させられる技量が欲しいと。 彼はうつむいていた。
僕に出来る事はやりたい。 僕のエゴでも。
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