罅割れた翡翠の映す影
目次|過去は過去|過去なのに未来
ボクが此処に居るのは何の為? 供物と成り贄と成り 終りを与えられぬまま?
身体の中で ケモノが一人
ぎりぎおりと音を立て 歯軋りしながら
外に出ようと 暴れ回る
泣き止まぬ 子供の声に
憤るように 吼え続ける
煮え滾る 溶岩のような
どろどろとした 激しい感情が
笑顔の下で 這い回る
『助けて』 聞こえない訳じゃない
ボクの声だと 認めないだけ
誰も救わない 誰にも救えない
自分自身で 這い上がるしかない
泣き言など 必要無い
誰も居ないのなら
笑っているよ この世界が終るまで
ボクに許された 時間が尽きるまで
壊れていても 楽しかったのだと
ボクの薄っぺらな 存在を主張する為に
ボクはキミに 何を残せたんだろう?
違う時を生きる 大好きなキミに。
笑いながら 『サヨナラ』を言って
感情に別れを告げよう
ケモノが 眼を覚ます
違うモノになる ボクをもう見ないで
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