橋本裕の日記
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2001年05月04日(金) 憲法と個人の尊厳

 昨日は憲法記念日だった。連休で帰ってきていた大学生の娘に、「今日は何の日か知っているかい」と尋ねてみたが、「さあ、何の日だったかしら」という気のない返事。ちなみに妻と次女にも、同じ質問をしたが知らなかった。

 私の場合は、朝刊を読んでいて、憲法の話題が多いので、「ああ、そうか、今日は憲法記念日だったのか」と気付いた次第である。もし新聞を読んでいなかったら、妻や娘たちと同様で、答えに窮したであろう。

 憲法記念日には憲法を読んでみるのもいいだろう。今はインターネットで何でも読める。もちろん憲法も例外ではない。私のHPのリンク集にも「憲法」が載せてある。そこでさっそく読んでみることにした。

「日本国民は、恒久の平和を念願し、人間相互の関係を支配する崇高な理想を深く自覚するのであって、平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、われらの安全と生存を保持しようと決意した。われらは、平和を維持し、専制と隷従、圧迫と偏狭を地上から永遠に除去しようと努めている国際社会において名誉ある地位を占めたいと思う。われらは、全世界の国民が、ひとしく恐怖と欠乏から免かれ、平和のうちに生存する権利を有することを確認する」(前文抜粋)

「日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。前項の目的を達するため、陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。国の交戦権は、これを認めない」(九条)

 人によっては、この条文は気に入らないかも知れない。私も戦争放棄条項(九条)の「前項の目的を達するため、陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。国の交戦権は、これを認めない」という部分は、現に自衛隊が存在する以上、削除した方がよいという意見を持っている。しかし、憲法の「平和主義」の理念は堅持すべきだろう。この憲法が320万人もの同胞の犠牲と、2000万人を越えるアジアの人々の犠牲の上に成り立っているという歴史認識を忘れてはならないと思った。

 さらに私が大切にしたいと思ったのは「個の尊重」を唱う第13条である。憲法の精神は何かと問われたら、それは個の尊厳を認めたこの13条であろう。このことがあって、主権在民や平和主義が生きてくるのだと考えたい。

「すべて国民は、個人として尊重される。生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利については、公共の福祉に反しない限り、立法その他の国政の上で、最大の尊重を必要とする」(第13条)

 さて、昨日は午前中は憲法の勉強をした後、午後からは家族で、岐阜県の百々峰(どどがみね)に登った。標高300メートルほどの山頂まで、駐車場から山の緑の中を、鶯の声を聞きながら2時間ほど歩いた。頂上の展望台から、私たちの住んでいる一宮市が見えた。ちまきを食べながら眺めていると、涼しい風が吹いてきて、私の体と心を清々しさで満たしてくれた。


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