2002年05月25日(土) | 感覚の変化 |
俺はレンタルしてきたビデオをダビングして何度も見る人。
じっくり見るわけでもなくボーっと見る。
飲み込みが良い方じゃないので何度見ても新しい発見があったりする。
その時の気分などで、感じることも違う。
映画が好きということなのかどうかはわからない。
夜眠るときに、何かが鳴ってないと眠れないから見てるという時も多いから。
昨日見た映画は、ヴィム・ヴェンダースの「ジ・エンド・オブ・バイオレンス」。
主人公が事件に巻き込まれて失踪している間に、妻が彼の事業を引き継いだ。
彼が家に戻ってきたときには、妻の心は彼から離れ新しい恋人がいる。
彼はそこを去る前に、妻を励ますように言った。
「君は考えるより先に行動していた。仕事については自分の感覚を信じればいい。君ならできる。」
俺は、自分の感覚を信じようにも、自分はどこか感覚を遮断していると思った。
こうしてぼーっと映画を見るのだって、夜ひとりぼっちで眠る感覚を遮断してるんだ。
考えるより先に行動する?俺にはそれはできなかった。
自分の感覚を信じれば、キチガイになってしまうのは目に見えていたから。
ちょっと前に思いついたこと。
会社ってものが経営に行き詰まり、このままでは倒産してしまうという危機に陥ると、
リストラしたり、海外にまで進出していた支店を引き上げたり、
採算の取れない部門を切ったりして規模縮小をすることがある。
人間だって人生に行き詰まり、このままでは人格崩壊してしまうという危機に陥ると、
交流範囲や行動範囲も狭くしたり、趣味や夢なんかを忘れるなどして規模縮小を図るんだ。
どちらも生きていくために必要な行動。
こうして並べてみると、引きこもりだって当人にとっては必要な行動なんだって思える。
傍目にはネガティブな面しか見えてこないけど、実は再建のため、再出発のためという面もある。
・・・・・はず。
どこか感覚を遮断してしまったこと。これも必要なことだったのかも知れない。
そのことが原因なのか、いつの間にか変わってしまったことがある。
前は家の手伝いをしていると悲しい気分になった。
そして、自分を癒してくれるものの1つに美術展があった。
でも今は家の手伝いは積極的にしようと思っている。
そして、この前久しぶりに美術展に行くと何故か悲しくなった。
良いことか悪いことかはわからないけど、これも自分に必要な変化だったのかも知れない。
それにしても、会社の再建に見習って、自分ももう少し戦略的になれないもんか。