日記...マママ

 

 

バイトが辞めた - 2011年02月01日(火)

学生バイトが辞めた。
期待していただけに失望も大きい。
高学歴が受けがちな、いわゆる逆差別をやっていなかったかと自分を振り返るが、彼を見る目にまったくバイアスがかかっていなかったわけではない。
他の人より高いレベルの仕事ぶりを求めていたのは事実だ。
だが彼の履歴書を見てその判断をしたわけではない。
採用してからの、彼の高学歴アピールがすごかったからだ。つってもすごいのは高校名(関西の、全国的に有名な某難関高校)だけで大学はわたしと同じ学部なのだけど、とにかくよほど自分の学力には自信があるらしかった。

それはそれで結構なことなんだけど、肝心の仕事をなかなか覚えてくれないし同じミスを繰り返す。
そんで注意してたら辞めた。

注意の仕方がまずかった気はする。
このタイプに典型的な打たれ弱い性格を考慮し、プライドを過度に傷つけることのないよう、もっとやさしく言ってやるべきだった。
でもまあ、じゃあもっと早く仕事覚えろよって話で、そんでそのあとに、本音のところで
「そんだけ偉そうにしてんだからさ」
というのがくっついてくる。
これが逆差別の正体だ。
彼の高学歴アピールは本当に他意のないもので、
「だから難しい仕事もガンガン俺に回してくださいよ!他のやつより絶対うまくこなしてみせますって!」
のメッセージではなかった。のだが、結果的に周囲にはそのように受け取られてしまったのだ。偉そうにしてる、ように見えるから。

前にもこれで一人辞めた。
プライドは高く持っていてもいいと思う。
むやみに卑屈な人間はつまらない。
しかし彼らは、周囲にそのプライドが伝わることで、自分が集団の中でどのように位置づけられ、どのような基準で評価されることになるのかまでは、わからなかったのだと思う。まだ学生だから。

同じ学歴で、すごい飲み込みの早い子がいた。
すべての作業が早く正確で、細かいことによく気がつき、常にこちらの求めるレベル以上の働きぶりを見せてくれていた。
つうか学歴関係なく、高校や大学がどこだろうが、テキパキやる人はやるのだ。若くても年寄りでも。
彼女と、辞めていった彼らの違いは、プライドが外に出てくるかどうか、見えるか、伝わるか、そのへんにあるような気がする。
問題は見せ方だ。
見せ方がうまければ、周囲からの評価をコントロールすることができる。
自分の能力やモチベーションの程度に見合わないような、過剰な期待を受けずにすむ。

と、ここまで他人事のように書いたが、その評価や期待をするのは他ならぬわたしなのだから、もちろんわたし自身がこのへんのからくりをうまく理解してバイトを使いこなしていかねばならんわけで、そういう意味で彼はわたしに大切なことを教えてくれたのだが、一方で、かつての会社員時代の自分を見せられるようで内心恥ずかしくてたまらなかった。なるほどな、と思った。逆差別を呼び起こしていたのは、実はわたし自身だったのだ。
何も学歴そのものを自慢していたわけではない。
でも「わたしはあんたたちとは違うのよ」的な慢心が、今思い出せば、確かにあったのだ。
せまいせまい熊本限定の高学歴しかすがるものがなく、方向を間違えたプライドを必死で守り続けようとしていた当時の自分を思うと哀れみというか情けなさもひとしおである。

過剰な期待を受けないように上手に立ち回る術はだいぶ身についてきたつもりだが、やはりときどき思い出したように仕事仲間から「あなたはどこ高校でどこ大学で、うちらの中でも期待の星よね」とか言われるということは、たぶん自分の中でまだそのへんを鼻にかけているところがあるということだ。
確かに仕事柄、学歴は武器になる。
保護者への説得力が増すところはある。
でも、他の先生が当たり前のように覚えていることを、わたし一人だけ覚えていなかったり、するのだ。
たぶん、バイトの彼らと同じ状態なのだ。小さなプライドが邪魔をして、あるいは慢心して、学ぶべきものをあるがままに学ぶことができていないのだ。


会社員当時のこと思い出すと、強がってはいるものの、とにかく自分に自信がなかった。
エリートが学歴を誇示するのは、もしかしたら自信のなさの表れなのかもしれない。
次に同じような人が入ってきたら今度はやさしくしてあげよう。



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