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スシローで話す - 2011年04月01日(金) 水曜日にスシローへ。 熊本には昔から大手チェーンの回転寿司店があったのだが、スシローが進出してきてからはみるみるうちに駆逐されている。実際レベルが違うのだから仕方ない。今までありがたがって食べていた100円寿司のレベルの低さをスシローによって思い知らされた。スシローはすごいよ。くら寿司も最近熊本に来たけど、絶対スシローだよ。 と思ってスシローの中でも昨年末にできたばかりの店舗に行った。ちょうど仕事帰りにいつも通る道沿いにあるの。わーい。 そしたらなんかそこは、わたしの知ってるスシローと違った。 えんがわが小さかった。ビントロは大きかったけどえんがわが小さい。 それと、注文した皿が新幹線でぴゅーっと来るタイプのレーンじゃなかった。件の「すし市場」のアナログなやり方と同じだった。 テーブル番号ごとに「青色」とか「黒色」とか色が示されていて「青色のテーブルのお客様のご注文分」とか書かれた台にお皿が乗せられてレーンの上をやってくるのを取るタイプ。取り損ねたらそのまま流れて行ってしまう。わたしも一度やってしまった。あとで店員さんが持ってきてくれたのでよかったけど。 カウンターでとなりに座ったおじさんがそのシステムが理解できておらず、店員さんに何度も何度も持ってきてもらっていた。 そのたびに照れくさそうに 「ようわからんとたいな」 「つまり、どうすればよかとだろうか」 と、若い女子店員に説明を求めているのだが、その女子店員がなんというか破滅的に滑舌が悪く、わたしも席に案内されたときにはなんて言われたのか全然わからなくて、かろうじて雰囲気で「ああ、同じ色の皿を取れってことね」と後で納得できたぐらいだった。 4度目ぐらいの店員フォローが終わったのち、おっちゃんはついにわたしに助けを求めた。 こざっぱりした、人のよさそうなおっちゃんだった。 田舎の小学校の教頭先生、って感じだった。 定年退職して悠々自適の生活ばってん今日は女房が同窓会でおらんけんがちいと奮発してかる寿司でん食いに来てみますたばい、みたいな、ちょっとうきうきした感じだった。いやしらんけど。 「これを取ればよかっだろうか」 おっちゃんは「桃色のテーブルのお客様のご注文分」に手を伸ばしている。 まさにそうだ。おっちゃんの席は桃色ゾーンだ。わかりにくいのは、その「この席は桃色ゾーンですよ」の表示なのだ。湯のみとか醤油皿とかが置いてある上段部にすごいさりげなく表示してあるだけなのだ。そりゃわからんて。わたしも最初わからなくて探したもん。 「ここに桃色て書いてあるけんそれでよかっですよ」 と教えると 「ああ、これね、これと同じのば取るとね」 と、ちょっと心得てきたおっちゃん。 「どうも俺はこぎゃんと苦手かもん」 と謙虚に笑うのが好感度大である。 そして次の注文分が流れてきたとき、再度確認を取るおっちゃん。 「こいでよかつよね」 「そう、ここに桃色てあるでしょ、それで今流れてきとっとも桃色でしょ」 「ああ!色が同じだけんね!」 「そうそう、席毎に色があるとですよ、わたしのは黒だもん」 「ああ!席毎に!」 「そう、席毎に」 そんな感じで何度かおっちゃんの確認作業に付き合う。 瓶ビールを手酌で注ぎながら 「ちいとわかってきたばい」 とご満悦である。 しかしそのあたりでわたしはもうおなかがいっぱいであったので、まだ話したそうにしているおっちゃんの視線に気付かないふりをしてお会計ボタンを押した。 すると先ほどの破滅的に滑舌の悪い女子店員がやってきた。 よく見ると彼女のかけている眼鏡は赤いフレームにとても凝った繊細な透かし文様が施されている。舌っ足らずオシャレメガネ女と命名してみた。 舌っ足らずオシャレメガネ女にお皿をカウントしてもらって(13皿も食べていた!)番号札をもらって、レジに向かおうとすると 「おきゃくたま!」 と呼び止められた。 「さっきレジの近くでカントした方がいらっしゃるので…少しお待ちになったほうがいいかもしれまてん…」 まったく意味がわからない。 カントはさすがに聞き間違いだろうと思い、聞きなおすと 「コント」 になった。 その後2度聞きなおしたが 「コント」 から進展しなかった。 もしかしたら本当にコントをしている最中の人がいて、場の空気を乱すといけないから終わるまで待っておけということなのかと少し真剣に考え始めていたころ、レジ近くの床に白い吐瀉物らしきもの、そしてそれを拭いている店員の姿を認めた。 「ああ!」 と腑に落ちて思わず大きな声を出してしまった。嘔吐ね。 -
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