Love Letters
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私の友人には
色彩、匂い、感触が直に伝わってくるような
繊細な言葉を紡ぐ
彼女の小説が好きという人が多いのです。
語学に関る仕事をする友人が多いせいでしょうか。
童話の翻訳もする彼女の文章には
どこかエキゾチックな雰囲気があって、
そこに惹かれるのかもしれません。
そう、江國香織さんです。
彼女の小説はほとんど読んでいます。
中でも好きなのは、
『落下する夕方』と『ウエハースの椅子』です。
彼女の小説は
愛や恋が少しだけ孤独を埋めてくれるということを
教えてくれます。
全部ではなく、少しだけ。
彼女の小説に出て来る主人公は
恋人や旦那さんに依存しないように見えます。
自分の孤独はちゃんと自分で抱えているから、
凛としていて美しい。
一昨日、私が買ったのは、
江國ファンの間では賛否両論ある話題作。
恋人に依存しない女主人公の小説が多い江國作品ですが、
これは親子ほども年の差がある
人妻と若い男性が恋に落ちる話。
彼女の他の作品は
どこか現実離れしたストーリーの中にも
妙なリアリティがあるのですが、
この作品に限っては
男性の心情の描き方に無理があるのではと
思ってしまいました。
いくら年上好きとは言え、
健康な若い男が
母親ほど年が離れた女性にのめり込むって
かなり不自然な気がしたのですが…^^;
というわけで、
この作品に限り、
いまいち感情移入出来ませんでした。
それにね
こんな風に落ちていく恋って
狂気というか、怖い気がします。
まさに自分達のことしか見えず
堕ちていくという感じで…
恋する人は綺麗に見える…というのは、
恋をしたら
周囲の人達にも優しくなれるからじゃないかな。
罪のない人を傷つけたり、
常に嫉妬に身を焦がしているような恋愛は
私には向かないような気がします。
0574 W.S.R
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小夜子
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