タカシがなにかを物色するように歩きだして ぼくらもあとに続いた
しばらくウロウロ歩いて 公園の端っこ 杉みたいな木の植わってるところで ピタ、と止まった
木のすぐ向こうは人の家になってて 目の前、ほんの2・3メートルくらいの距離で 居間(茶の間)があって オレンジ色の灯りとテレビの音がもれていた
「こんなとこで派手にやったら、ね、怒られるよ…」 タカシのひじをつつき、ショウタが弱々しく言う
タカシはその灯りをまっすぐに見たまま 「貸せ」 とぼくに向かって手をだした
催眠術にかかったみたいに すんなりとチャッカマンを渡してしまった
タカシは振り向いてニヤリと笑い 「チビんなよ?」ってぼくらに言うと なんのためらいもなく 束ねたロケット花火にチャッカマンを近づけた
|