ほっく。

2003年08月15日(金) 花火5


タカシがなにかを物色するように歩きだして
ぼくらもあとに続いた

しばらくウロウロ歩いて
公園の端っこ
杉みたいな木の植わってるところで
ピタ、と止まった


木のすぐ向こうは人の家になってて
目の前、ほんの2・3メートルくらいの距離で
居間(茶の間)があって
オレンジ色の灯りとテレビの音がもれていた

「こんなとこで派手にやったら、ね、怒られるよ…」
タカシのひじをつつき、ショウタが弱々しく言う


タカシはその灯りをまっすぐに見たまま
「貸せ」 とぼくに向かって手をだした

催眠術にかかったみたいに
すんなりとチャッカマンを渡してしまった


タカシは振り向いてニヤリと笑い
「チビんなよ?」ってぼくらに言うと
なんのためらいもなく
束ねたロケット花火にチャッカマンを近づけた





 < 過去  INDEX  未来 >


クジラ缶 [MAIL]

マイエンピツ追加