ほっく。

2003年09月03日(水) 不幸?


わたしも、つい、母の事を話した

アサキは目を丸くして
「だっておまえ、そんな不幸な少女には見えなかったぞ?」

不幸な少女、という言い方が可笑しくて
プフッと吹きだしてしまった


机のふちをなぞりながら、
おもいきって言ってみる

「母がいなくなって、じつはホッとしてるの」


「そか… うん、そっか」

アサキは何度も頷くと、本の表紙をみつめた


母が私にだけ厳しかったとか
それは話さなくてもいいと思った
不幸とかカンチガイされても困るし

だって
いまの、この瞬間のわたしは
なにひとつ不幸じゃないもん


こうして
本のにおいのするところで
隣りにはアサキがいて

なにかがいっぱいで
いっぱいすぎて
あふれそうなくらいだもん





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