海津ほろよい日記
湖畔の酒蔵 ほろよい社長の日常

2003年10月13日(月) きき酒の評価 関東vs関西 

東京の酒販店さんが主催される業務店対象のきき酒会に、今回はじめて参加いたしました。

今年の春に、仕入れ責任者の方が当蔵においでになり、いくつか気に入っていただいたお酒もあって、お取引がはじまりました。

今回は「燗酒のすすめ」というテーマで、全国から20の蔵元さんがお見えで、中にはすでに全国区のブランドとして確固たる評価を得ておられる蔵もおられ、ほろよいとしても気合のはいったきき酒会になりました。

12:30から3:00までの2時間半の間に300人を超える業務店のお取引先がお見えになり、無名ブランドの弊社のブースにもたくさんの方がおいでになりました。

今回は「お燗向け」ということで、コスト・アンド・パフォーマンスの高い金紋・本醸造、充分に熟成し辛口でキレのよい常温熟成吟醸原酒・忘憂2001年、甘口でコクのある地元マキノ吟吹雪・純米酒、長期常温熟成純米大吟醸・鬱金1993年の4種類を出品いたしました。

一番評価をいただいたのは「忘憂」で、人肌が少しさめた位の温度で酸の幅が非常にひろがる味わいと、気にならない程度のおちついた熟成香にも好意的な評価がもらえました。

この間のフルネットさんのきき酒会や、今回のきき酒会で感じた関東の方のお酒の評価の仕方は、関西の方とは少し感性がちがうような気がします。

たとえば東京ではブランドの有名無名にかかわらず、自分自身の舌できき酒をして評価し、良いと感じたものは無名のブランドであっても抵抗なく受け入れられる方が比較的多いように、ほろよいは思います。

この点、関西の方は他人の顔をみながらそのブランドの評価をされる傾向があるようで、近くのブースにいた蔵元さんも、他の酒店や業務店が仕入れて、はじめて自分も仕入れてみるといった習癖があるように感じておいでだそうです(若手の酒販店さんほどその習癖はなくなりつつあるともいっておいででしたので、お怒りなきよう)。

ブースにおいでになったお客様ときき酒の意見交換をしていても、なにやら東京のほうが少し居心地がよく感じるのは気のせいでしょうか。

夜には主催された酒販店さんと参加蔵元との懇親会があり、現在全国で活躍しておられる蔵元さんのお話をきくことが出来、今年の酒造に対するエネルギーを頂戴いたしました。

そのおり、東京では非常に人気があり業務店さんの信頼もあつい蔵元さんが、地元の小売店さんの商売意識の低さをこぼされた話がこれまた印象的でした。

配達に往復1時間かかるような小売店さんが、大吟醸バラで2本などという発注を平気でしてこられる。これはただ消費者さんの注文を右から左に取りついだだけで商売とはいえない、販売者であれば少なくともケース単位で仕入れて、在庫を持つリスクが必要ではないのかというお話でした。

似たような事は、ほろよいの蔵でもよくあることで、いずこも自己改革ができず、リスクを負わない酒販店さんがおいでなのだなあと、その蔵元さんと意気投合した次第です。




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