この間の「新酒蔵出しの会」の打ち上げで話題になった話です。
こんなに、個性があって美味いお酒ができているのに「なぜ売れないのか」「なぜ高いと消費者さんから言われるのだろうか」という問題をつきつめて考えたとき、やはり2リットルで1000円を切るようなパック酒と同じ土俵で販売するのが一番問題があるのだろうということになりました。
ここはいっそのこと国税庁にお願いして「甲類清酒」と「乙類清酒」(A級とB級でもいいですよ)にテリトリーを分けてもらい、甲類では価格競争を、乙類では品質競争を追求した方が、消費者さんも目的に応じて買分けできていいのではないかという話が冗談半分で飛び出しました。
考えてみれば、ビール業界では知らないうちに「ビール」と「発泡酒(雑酒)」にテリトリーが2分されてしまっているのですから、あながち不可能な話ではないと思います。
甲類は「価格追求型」ですから、原材料を米、米麹、醸造アルコール、糖類、酸味料、グルタミン酸ナトリウムに限らず、現在酒税法では認められていないコンスターチなどを使用したり、液化プラントを駆使して製造原価低減に努力すればよいでしょうし、「品質追求型」の乙類では、少なくても本醸造規格以上の製造基準をキープして、より美味しい個性のあるお酒を追求すればよいのです。
そうしたほうが消費者さんもわかりやすいでしょう。
われわれは甘んじて「乙類」という呼称を頂戴いたしますので、「甲類清酒」の低価格訴求型の大メーカーの方々には、「米だけで造った甲類清酒」なんて変なものを造ったりして、我々にちょっかいを出さぬようお願いしたいものです。
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