海津ほろよい日記
湖畔の酒蔵 ほろよい社長の日常

2009年05月23日(土) 近江十六夜の会 

東京2日目、今日は上野桜木町の市田邸でお酒の会です。

お昼前に上野に到着、かんかん照りの中、少々二日酔い気味の頭をかかえ、蔵元の面々と上野公園を歩いておりますとなかなかの人出。

いま、上野のお山には、阿修羅クンとルーブル嬢、そしてティラノサウルス君がご滞在中。なんともはやスゴイ役者が揃ったものです。







恐竜展の看板は縦横に渡した黄色い帯が、警察の現場検証に使うテープをイメージさせて効果的。




国立西洋美術館の前庭には、ロダンの「地獄の門」が何気においてあったり。




上野動物園の何とも微笑ましく絵本のような看板がおいてあったりして、文化の香りが充満しています。




東京藝術大学のすぐ隣が市田邸。明治40年の建築で、市田氏は滋賀県五個荘町出身で東京日本橋で布問屋をされていたそうです。

現在は1階のお座敷と蔵の部分を公開スペースとして随時イベント等に貸し出し、残りの部分には藝大生が下宿しておられます。

正面から見た全景です。お庭の木々が鬱蒼としています。




玄関へのアプローチです。本日の主催者“Samurai girl”の経営者中村佳代さんのご実家の紋幕が飾られ、打ち水が済ませてあります。




内側から見たところ。




正面には中村さん直筆のお軸が、意気込みがひしひしと伝わってきます。




玄関登り口の様子。雑巾拭きを何年も続けると、こんな風に黒光りしてきます。年寄りにしかわからない細工がしてありますが、わかりますか?




実は板がはずれるようになっており、当時の燃料である炭を貯蔵するスペースが作ってあります。ほろよいの母屋の登り口にも同じ細工がしてあります。




それでは上らせていただき縁側に出てみましょう。







これで白い猫でもウロウロしていたら、サザエさんのおうちですね。







ガラスに映りこむお庭の緑がキレイです。




昔のガラスは品質にムラがあってこんな風に映ります。ファジーな感覚がいいですね。「三鷹の森ジブリ美術館」のガラス窓もわざとこんなガラスを使っています。




床の間にある明かり取りの窓。格子のくっきりとしたシルエットと、障子に映る向こう側の格子のうっすらとした影が微妙に調和しています。




反対側から見るとこんな感じです。




奥の間は石造りの蔵です。外から見るとこんな量感のある鉄格子の窓になっています。




ここには中村さんのご実家から持ち込んだ、朱塗りのお椀や、器、グラスが置かれていました。重厚で重々しい鉄格子の窓と、クリアで軽快なグラスの器の質感の対照が予期せぬ美しさを醸し出しています。




焼き物と塗りの器は、江戸後期から明治の頃のものだそうです。




ここの襖紙には雪花紋の和紙が使用してあります。




さて、お座敷のしつらえも準備ができたようです。




メニューも、1枚1枚中村さんの手書きです。




本日の余興は御歳84歳のアコーディオン奏者、角谷精三さんです。お話を伺うと、奥様とゴルフをしたり、年に1回はスイスにトレッキングにいったりとお元気そのものです。




本番までまだ少々時間があるようです。雑談中の蔵元。




福井君と中井君はなにやら密談中。




準備万端、参加蔵元と記念写真です。




さあ本番!気合を入れなおす中村女将。




二間、十六畳(江戸間で関西より畳もひとまわり小さい)にお客様が20名、蔵元が11名。絵に描いたようなニッポンの宴会です。




昔は結婚式や法事の宴会を自宅ですることが一般的で、こんな風な情景が繰り広げられました。

今日のお酒の会もお客様は大満足。ほろよいもいろんな方のお話を聞くことができました。

中村女将もお疲れ様でございました。




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