海津ほろよい日記
湖畔の酒蔵 ほろよい社長の日常

2009年06月02日(火) 繊維の東大阪

高島市商工会工業部の役員懇親会で聞いた話。だいぶ酔っ払っていたので、間違いがあるかもしれませんが、なかなかに興味ある内容です。

1)高島には撚糸、織布、縫製と川上から川下にいたる業者が集積しており、原材料から最終製品まで市内だけで一貫生産できてしまう全国でも数少ない地域である。

2)零細ながらも技術水準の高い業者が多く、かつ、納品先の業者から要求される品質もハンパではないため、全世界的な品質水準のはるか上をいっているのだが、オーバースペックになっている側面もある。

3)高島クレープといった伝統的な衣料分野だけではなく、今はやりの帆布、柔道着の生地、厚さ5ミリを超える分厚い布地が織れる業者がいたり、機械のベルトやタイヤに使う布、フィルターに使う布など工業分野への進出も果たしていてる。およそ布と名のつくものならどんなものも作れる技術集積が既にあって、まさに繊維分野での東大阪市といった観がある。

4)取引先には、丸紅、伊藤忠など名だたる商社が名を連ねている。市内業者の得意分野や技術水準はそれら商社が熟知していて、新しい商品を作る場合、商社が川上から川下へと業者をチョイスして生産してきたため、与えられた仕事がどこからきて、次はどの業者に行くのか分からなかったのだが、実は高島市内で中間製品が右に左に移動していた。

5)いまでも商社から糸を託され織り上げ、それを縫製して製品にするという「賃加工」という仕事が多い。この生産方法は、原材料を自分で仕入れる金銭的なリスクを負う必要がない半面、自分で企画し製品を作り販売していくという会社の独立性が育たない。

などなど、いろいろいいお話が聞けました。

酒宴の最後のころ、「じゃあ高島にとっての『まいど1号』はなんだろね?」なんてえ話になり、各人酔いに任せて好き勝手なアイデアが出て盛り上がった次第。

高島クレープのステテコを着たオバマさんが、ホワイトハウスの芝生でくつろぐ姿を思い浮かべた、ほろよいは不遜でありました。





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