おさむ日記/炭焼き生活日記 〈竹炭・竹酢液の無限窯〉
2004年07月02日(金) |
山の生活から文明開化の新居へ |
旧暦五月十五日 満月
今日から檜原村の新居に本格的に住み始めます。 もう、とてつもなくすごいのです!
なにがすごいのかを話すのに、まず、今までの窯場での生活を話さなくてはならないのですが、長くなりますが聞いて下さいませ・・。
一昨年の暮れ、檜原村で新しく炭を焼くために、村の中でも人里離れた山奥の比較的平坦な土地を約300坪お借りすることができました。ほんとに山奥で樹木だらけでしたので、はじめに樹木の伐採を森林組合で切っていただき、それから平地に(傾斜になっているので3段に)整地していただいてスペースを設け、そこに水場、炭材置き場、小さな仮眠小屋、トイレ(もちろんボットン)、物置、窯、お風呂の順に作っていきました。 そんな環境なので、もちろん水道・電気はなく、水は近くにある川の水を引き、夜の明かりは初めはロウソク、最近はディープサイクルという長持ちするバッテリーを使って裸電球1個を灯し、ガスは坂でも持ち運べる小さな5kgのボンベを使い、暖房は薪ストーブ、お風呂は薪釜と、都会育ち(?、都民ですので・・)の私にとっては、とても味わい甲斐のある生活が始まりました。 なんといっても最高なのが、屋根もなく開放的すぎるお風呂。
タダでいただいた小さな古い浴槽で、川の水をホースで引き、夏場は40分、冬場は1時間以上かけてマキを炊いて沸かすのですが、晴れた夜は満天の星空を見上げながら入れるので、すごく気持ちいいのです!ただ、雨の時は雨を浴びながら入るようで、ほんとに味わいがあります・・。 (もちろん竹炭と竹酢液はたっぷり入れます)
これは水場です。初めはここで洗顔、食器洗い、洗濯などしてましたが、最近は小屋に流し台を設けたので、雨が降っても大丈夫になったのですが、冬場は−10℃にもなるので、流しっぱなしにしてないとホースが凍結してしまい、一度凍ってしまったら、そのままでは日中も溶けないので、30mほどあるホースをバリバリと巻き取り、薪ストーブのある仮眠小屋の中で暖めます。
これが6畳間の小さな仮眠小屋です。真冬でもここは別世界。といいますか、ストーブが安物なので細かい空気調整ができず、よく燃える杉・檜などを燃やした時には温まりすぎてしまい、まるで沖縄にいるかのような暑さになってしまうのです。室内は沖縄、外は北海道というかんじに・・。
ここで一番大変なのが、食料の保存です。電気がないので、冷蔵庫がなく、夏場はすぐ傷んでしまい、冬場は逆に低くなりすぎて全部凍ってしまうのです。ほんと冷蔵庫って便利だな〜と思いました。小屋の下にあるボックスがここの冷蔵庫、いや冬は冷凍庫。右2つの左側に地中に1つ埋めてみたのですが、それも凍りました。ですので、必然的に乾燥ものの食材が多くなり、食事のレパートリーは狭まってしまってました。
これは仮眠小屋の40ワットの裸電球。初めはロウソクだったので、これが灯った時は明るい〜と思いましたよ。
車で片道1時間かかる実家にはよく戻ってはいましたが、こんな環境で昨年から今まで過ごしていました。そんな環境からですね、今度お借りする公営住宅というのは、実は建てたばかりの新築の一軒家でして、今どきの設備が完備されていて、なんとお風呂はボタン一つでお湯が沸いてしまうのですよ!しかも湯量もぴったりに!ん〜すごい! 冷蔵庫も置けるので、すぐに食べなくちゃ、という心配もないですし、もう最高です! 近代文明ばんざーい!と言いたくなるくらいで、今の機械はほんと便利ですね。(お年寄りの言葉のようでどうも・・)
ということで長くなりましたが、快適な新居と味わいのある窯場での暮らしを交互に飽きることなく味わえることになり、そんな中で2基目の窯づくりを始めようと思います。
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