小田桐たつみさんとデートというか、
「ジキル博士とハイド氏」を観に行く。
その前に「波濤の果て」松平健のチケットを引き取りに
新宿コマへ。交通費が掛かる私は都会に出たら、
何もかも用事を済ませなければならいないのだ。
なぜ、松平健かというと、「歌う絵双紙」という彼の
普通の芝居が終わった後の二部の歌演目がすごいらしい。
「溜飲が下がるから、看た方がいいわ」と、仰ったのは、
過去に「大江戸ロケット」を観た際に山崎裕太に
「ハナが無いわね」と、(いや、本人には云わなかったけど、
ロビーで、しかも私の同行者は(注・その時は一緒に観に
行かなかった。別チームでそれぞれ観戦していた、そして、
運命のように偶然、再会した)彼のファンだったんですよぉ)
ともかくめった打ちが多く、ロビーや帰り道で正直な感想を
くりひろげる私と姐さんの口癖は
「いつか背中から、差されるね」)
ともかく、その分だけ素晴らしいモノに対しては賞賛おしみ
ない、いずみ姐さんのオコトバには従わなければ。
ちなみに彼の歌う曲の中には
「将軍マンボ」「将軍サンバ」がある。
これを見ずに、何を語れというのだろうか。
しかし、コマ劇場の前まで見て、立て看板を見たら
きちんと芝居で二部構成になっている。いやな予感。
チケット売り場のお姉さんに
「歌わないんですか、松平健?」
「今の所、その予定はございません」
がちょーん!!!
私、このチケット取るために「千と千尋」諦めたのに。
(いや、20分、家を早く出ていけば良かったのだが)
しかし、私たちは勝負を受けて立つわ、3000円だしと
無謀なカケに出るというか、所詮、小心者の私は
キャンセルが出来ずに引き取ることに。
でも、衣装がすごい、正気の沙汰とは思えないくらいだわ。
一見の価値アリねと、自分を慰めてみる。
んが、相当ショックだったらしく、新宿の町をぐるぐる
廻るはめになる。つうか新宿魔界都市ラビリンス。
新宿テアトルが見つからない。昼ご飯が買えない。
思っていたところと違うところに映画館がある。
なぜ?そりゃあ、あんたが方向オンチだからだよ。
ともかく「ピストルオペラ」を見る。鈴木清順カントク。
江角マキコが和服でブーツでピストルをぶっぱなす
お話で、そのまんまでした。
私にとって、江角ってへたうまの所が好きなんだけど、
その辺り、良く現れていたし。
私の好きな美少女と絡んでくれたし。それでヨシとしよう。
その後、日生劇場へ。すでに時間が押している。
昼ご飯のパンを買ったが、すでに食べている時間は無い。
しかも、帝国劇場と日生劇場の区別が薄ぼんやりとしか
付いてない私は、ただひたすらドキドキしながら、野生の
カンを信じて歩くしかない。なんとか駆け込みでギリギリ
間に合う。5時丁度。だが、しかし、舞台は幕が開く気配
すらない。業界用語で押しているって奴。
席で待ち合わせしていたたつみちゃんは、
「こんなことなら食べれたのにねえ」と、焼け石に水的な
同情をしてくれる。ありがとうよ、でも、大丈夫。
ミュージカルは休息時間がたくさんあるから。
さて、肝心のお芝居はというと。
「マルシア(思ったより)歌うまかったね」
「つーか、(あんなに良く)歌えるとは思わなかったよ」
「茂森あゆみ、可哀相に」
(役所にあまり同情が集まらないから)
「段田さん、芝居が出来るから呼んだんだね」
「でも、友達としてアレはどうかと思うが・・・・、弁護士」
(でも、段田さん、すっき〜)
「鹿賀さん、一人ウケセメ状態だね」
「歌とゆーか、曲、すごいねえ。綺麗だねえ」
等と話ながら、途中、
「たつみさん、貴方に謝らなければならないことが
あるの」と、次の松平健には歌う絵双紙が無いことを
告白。彼女もやはりショックを受ける。ついでに云うと
私たちは何故、こんなにショックを受けるのだろうという
ことにショックを受けていたのだが、それは又、別の話。
ともかくやはり、お嬢さん方、背中に気を付けてと
いう会話をしながら、前々からたつみさんが行きたいと
ほざいていたオーストリア料理屋へレッツゴウ。
そこの店長(名札が貼ってあった)押しには弱いが
腰は強い。つうか目に隈が出ていたよ。
注文した料理はほとんどが売り切れ。
しまいには何を注文したのか判らない状態。
手持ちぶたさにワインを水のように飲み干す女二人。
そして、料理が終わっているのも知らずにカクテルを
注文する私たち。・・・配分、騙された。
しかも、そのカクテル「ズーレ」は甘かった。
白ワインにジュース、泣いちゃうくらい甘かったので、
たつみさんに訴えて、彼女のレモンジュースをベースに
したカクテルと取り替えて貰う。
ジャイアンかい、己は。
でも、ありがとうね、たつみちゃん。
又、呑みに行こうね。つーか来週もデートなんだけど。