相変わらず一人で行くと、吸い込まれるように 日生劇場にたどり着く(数寄屋橋の交差点から なら日生の遠い……)というハプニングを乗り越え、 目的地の帝国劇場まで爆走〜
開幕に間に合うけど、折角買ってきたおむすびが 食べれずはらぺこで観戦。おまけにミュージカルのくせに 2時間ノンストップだがと、ストレートプレイに近いかなと 思ったら、話の方もそうでした。
おおざっぱな粗筋は ドンキホーテの作者が牢屋に入れられ、 裁判待ちの間、ドンキホーテの話を語って 聞かせると云うもの。(本当に荒いや) このドンキと作者を松本幸四郎が演じて1000回。 後の出演者も上手い人ばかりで、 やっぱ安心してみられる芝居っていいよねえと、 小田桐さんと感心しておりました。
最初に、上条恒彦(労名主と宿屋の主人)にノックアウト!! アルトにしびれました。上手い人の歌うミュージカルって いいよね、やっぱ。
さて、肝心の中身の方なのですが、私が若い(幸四郎と 松たか子だったら、娘の方が年が近いですから) 女ということと、単なる女の子好きなので、 本の読み過ぎで、自分を騎士だと思って出奔しちゃう男= ドンキより、荒んだ生活のせいで愛も何も信じられない野生 動物のようなムスメ=アルドンサの方に感情移入しまくり。
やーもー、初登場の松たか子は本気で薄汚かったですね。 (誉めている)そんな下宿の下働き女をしている彼女を麗し のお姫様と思いこんで、自分名前(勝手に命名) で呼びつつ付けるドンキホーテ。初めはうっとしがって、 メイワクしているんだけど(そりゃあ、そーだ)ドンキや セバスチャンと接している内に、自分でも知らなかった人間 らしい感情に目覚めるアルドンサ。イヤがっていたラバ追い 達をドンキ達と三人でやっつけた後の笑顔がカワイイ。 だけど、結局、その目覚めたばかりの優しさが仇になり 下宿のラバ追いたちに廻されてしまう〜
当然、ドンキに冷たくなるアルドンサ。しかも老いた自分の姿 を見せつけられて、本来の自分を思いだし、姪のフィアンセに 家に連れ帰られドンキホーテ。(へたれ) だが、死の淵に置いてアルドンサの説得により彼は自分が 他ならぬ騎士=ドンキホーテであることを思いだし、大往生。 アルドンサの中に希望を残して……という話し。
正直云って思ってたように心に染みませんでした。 ドンキサイドで話を見ると。 カワイイ女の子に看取られ本当の自分で死んでいくのって、 男の浪漫なんでしょうが、私はそんな浪漫は食われてしま えというタイプなので、 アルドンサが、ただ本気で可愛かったです。 でも、すいません。彼女が廻されるシーンは、オヤジメセンになってました〜だって、ほんとうにすごかったんだよ。 目が離せないだけの華を迫力もあったしねえ。 あ〜たか子がメイ役で出ていて、 鳳蘭がアルドンサだったのを見とけば良かったな 〜と後悔。どうせチケットないやと思ったからなんだけど、 やっぱチケットは取れる時は取っておかないとね。 同じ後悔なら、見ない後悔の方が長く残るね。
所で、私も人のこと云えないのですが、 首相の視線はたか子の胸元に釘付けというオヤジ週刊誌の 中吊り広告に引かれて立ち読みしてしまいましたが…… まーね〜、確かにエロチックだったけどさ、、。 胸大きかったけどさ、 それしか見せ場がなかったわけじゃないじゃん〜 もっと他のことも誉めてやれよと、 雑誌に向かってつっこんでみたり。 やっぱ演劇の認知度ってその程度なのね 〜とちょっと哀しくなりました。
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