今夜も(ノ`´)ノミ┻┻ 

2003年04月13日(日) ■マッチ売りの少女

久しぶりにうちのめされる舞台というか、
(いや、見に行くのも久しぶり、でも、ないか。
オケピがあった)

まず、装置に圧倒。
場所は新国立劇場、小劇場。
今まで知らなかったんだけど、
あれって、ステージとか、座席とか、
取っ払えるんですねえ。

まず夜。普段、ステージがある場所に、
昭和の古い戦後の家々、その前に客席の
一部。そして、左右の壁、も各家庭の扉と
か、塀みたいな感じ。

ホールの真中にきちんと並べられた食卓。
私、上手側のバルコニー席から見たのですが、
その奥のほうに茶箪笥。
これだけでもやられたって感じなのに、
その両端と両端に、天井から砂がずっと落ちて
いる。まんま引用なんですけど、
砂時計の砂が落ちるみたいにね。ずっと、
さらさらと。(後で見に行ったら、フィルム?
光の加減みたいな感じでした。
つまり現物は無かった)

と、この世界に連れ込んだ所で、開幕というか、
食卓におままごとみたいに、夫婦でお茶セットを
並べて、セット完了。物語の始まり。
実は食卓が載っていた舞台は周り舞台で、
時間が変わると、ちょっと。ちょっとと動いていくん
ですが、これが実に効果的で。

あらすじはこの芝居、老夫婦(富士純子と
3度目の正直でやっと落ち着いた猪熊恒和)
の由緒正しい夜のお茶会に進入してきた、
死んだはずの(父親が目の前で見ている)
娘(寺島しのぶ)がいかに自分がこの家の娘と
主張しているうちに、いるはずのない息子
(彼女にとっては弟)まで出てきて、
そして、、、、と、いう話なのですが、、

あー、これではさっぱり判らないのは当然ですね。
仕方がありません。
これが別役実の不条理劇なのですから。
ま、とにかくそんな絡み合わない会話が
永遠に続いていくのですよ。そして、その合に
聞こえる、火の用心の声。
この話の主題になっているマッチ売りの少女。
(今、気がついたよ、因果関係)
しかも、このマッチ売りの少女はただの少女では
ない。マッチの炎がついている間、
スカートをたくし上げるのだ。

私の位置からは、娘は背中で演技ばかりだっ
たのですが、もうその背中から、
ひしひし伝わってくる。
しかし、その娘より怖かったのは手塚とおる。
目が、もう普通じゃないんだもん。
動きがなんか、コワイんだもん。
やっぱ上手いよー、この人。

話自体は面白いというか、いや、もう人間って、
コワイなって話。ラストと、そのラスト前は
人間の業とか、そんなものがてんこもり。
一時間35分があっという間というか、
何度、早く終わってくれよ、
と願ってしまったでしょう。
で、終わった後はしばらく色々と手がつかず、
地元の駅で一人で飲んで帰って、
クールダウンをしました。

万人向けとは決して云えませんが、
興味深いとか、面白いという意味では、やっぱり
心引き付けられるんだろうなあと、思いつつ。

不服な点があるとすれば、当日券
(先着20名様だけど、1500円なの)が、
たくさん残っていたことね。
ちっ。まー、3150円だから、いいんだけどさー。
余っているというか、余りそうなら、
早く云ってよぉと、思いました。
(しなさん、それ無理)


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