アナウンサー日記
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2001年09月13日(木) テロ事件に思う

 アメリカ・世界貿易センタービルのテロ事件は大変衝撃的であった。卑劣な無差別大量殺人は、決して許されるべきではない。

 だが、だからと言って、アメリカ側の「報復の為の戦争」は絶対的な正義なのか?

 ・・・果たして、真珠湾への奇襲攻撃やテロは「不意打ちで卑怯」であり、きちんと宣戦布告をしてから行う戦争は「騎士道精神にのっとった正しい行為」なんだろうか。・・・見た目の印象は全然違っても、中身は全く同じ「大量殺人」なのではないのか。

 テロを憎む気持ちは私自身持っているが、武力による報復が、また新たな悲劇と憎しみを作り出すことは自明の理だ。どこかでその繰り返しを止めなければ、この世界からは永遠に戦争は無くならないだろう。

 ならば、アメリカは報復攻撃をやめるべきだ。そもそもアメリカ人が信じるキリスト教のイエスは「汝、右の頬を打たれれば・・・左の頬も差し出せ・・・」と言っているではないか。今こそ、聖書の言葉を実践すべき時である。

 そして、日本は今こそ世界の中でイニシアチブをとって「報復攻撃反対」を訴えるべきなのだ。愚直かもしれないが、憲法で永久に戦争を放棄した日本国だけがなし得ることだ。

 日本の平和に関する式典には、しょっちゅう「恒久の世界平和を祈る」という文言がでてくるが、このことばを、お題目にしてはならない。


 こんなことを考えること自体が、世界の情勢の中では「非常識」なことなのかもしれない。だが、「戦争反対」を当たり前に主張することこそが、むしろ「健康的な心理状態」なのだ。そして、かつて侵略戦争に失敗して、原爆による市民の大量殺戮を経験し、現在は世界に誇る平和憲法を持つ日本には、戦争反対を主張する使命があるのではないのか。


 この世で一番大切なのは、命なのだ。たくさんの命を奪う戦争は断じて認められない。


 命の尊さは、様々なしがらみや利害関係を超越するものだ。そんな当たり前のことを再認識するべきだ。子供が持つような素朴な正義感を、私たち大人が失ってはならない。


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