アナウンサー日記
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2002年07月31日(水) |
映画「猫の恩返し」を見た。 |
長崎市繁華街の映画館で見た。
うーむ。・・・姉妹作品である『耳をすませば』が大好きな作品であるだけに、厳しい評価にならざるを得ない。
まず、(「猫の恩返し」の評価とは直接関係ないのだが)同時上映の「ギブリーズ」。これが、いただけなかった。
というのも、あくまでワタシは「猫の恩返し」を見にきたのに、とくに興味がなかったこの作品を、否応無く見せつけられる羽目になったからだ。新聞の映画欄には「猫の恩返し」のタイムスケジュールのみが掲載されており、それに合わせて映画館に入ったら、始まったのは「ギブリーズ」の方だった、と言うわけだ。
それでも、「新聞に上映時間が載ってないくらいだから、オマケみたいな作品だろうし、10分もすれば終わるだろう・・・」と高をくくっていたら、なんと「ギブリーズ」は延々30分間もあったのだった。
内容自体は決して悪いものだとは思わないのだが、「猫の恩返し」への期待で膨らんでいる観客の気持ちに肩透かしをくらわせる「間合い」だったことは確かだ。ワタシを含めて、館内の空気はあきらかに「早くコレ終わんないかなあ」というムードだったと思う。
あるいは同時上映が「ギブリーズ」のような大人の4コマ漫画風の作品でなく、「猫の恩返し」と同じような少女漫画的ファンタジー世界のアニメーションであれば、観客の反応も違ったかも知れない。なんにせよ、「ギブリーズ」はその存在自体が浮いていた。一番良かったのは、「猫の恩返し」の一本立ての上映だったと思う。
さて、やっと「猫の恩返し」の評価だが・・・最初に述べたとおり、ワタシは厳しい評価にならざるを得ない。見る前の期待が大きすぎたのだ。
主人公のハルは、『耳をすませば』の主人公2人とは違って、特に得意なことも将来の夢も情熱を傾けていることもない、ごくごく平凡な女子高生である。まあ、それは良い。よろしくないのは、この主人公が、ほとんど自分の意志で行動しないことである。
主人公ハルが一番魅力的なシーンは、冒頭、車にはねられそうになった猫を、身を挺して助けるところで・・・実にこれ以降ラストまで、ハルが主人公らしい活躍をする場面は見られない。物語は常に、ハルの周囲に集まるキャラクターたちが動かしていく。ハルはただ流されていくだけだ。残念ながら、ワタシはこの手の「他力本願」な主人公には魅力を感じることができない。
声優の配役にも疑問を感じる。実写も含めてだが、いい加減、日本映画は話題性だけで役者を選ぶのはやめてほしい。演技力のない役者がひとりでもいると、ストーリーに集中できないし、映画のクオリティそのものを下げることになってしまうと思う。有名俳優を使わなくても、「ジブリ」の看板だけで充分ひとは集まる。第一、もうずっと前から「スターの顔」で映画館に客を呼べる時代は終わっているというのに。余計なデコレーションはやめてほしい。
・・・とまあ、ほかにも突っ込みどころは山ほどあるのだが、実を言うとそれほど嫌いな作品でもない。それはひとえに、ワタシが猫好きだからであろう(爆)。
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