アナウンサー日記
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2002年08月07日(水) 日本という国には、希望だけがない

 正しくは「この国には何でもある。本当にいろいろのものがある。だが、希望だけがない」・・・これは佐世保市出身の作家、村上龍氏の作品中の言葉である。


 今夜のニュース23に村上龍氏がゲスト出演し、筑紫キャスターと対談した。


 対談の中で一番印象に残ったのは、村上氏の「これからは、知識もスキルもない若者が増えていく」という言葉だ。こうした若者たちは、常にイライラを抱えていて、いつも暴発しそうになっている。したがって、世の中は荒れていき、右傾化も進むだろうという分析だ。「それを避けるためには、全国各地にバスケットボールコートやサッカー場をたくさん作り、力を持て余した若者たちがカタルシスを得られる場所を提供すべきだ」と村上氏は提案した。・・・ただし、「大変な費用がかかるし、無理だろう」とも付け加えた。


 村上氏は対談を「日本に希望がなくても、あなたに希望があればいい(あなたが希望を抱いてさえいればいい)」と締めくくった。もはや終身雇用が崩壊し、これまで会社がもたらしていた安心感が無くなった以上、シアワセのモデルは存在しない。国も会社も、夢を与えてはくれないのだ。


 
 考えてみれば、そもそも夢は自分で見るものなのだ。そんな当たり前のことに気づいていないひとは、案外多いのかもしれない。


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