アナウンサー日記
DiaryINDEXpastwill


2007年01月05日(金) 小さな命

子供の頃は、図鑑を暗記しているほどの昆虫博士であったが、いつの頃からか虫が苦手になった。
大人になった今となっては、やっとさわれるのがカブトムシとクワガタくらいで、小さなダンゴムシやバッタですら、さわるのが怖いくらいだ。

これは、自分が子供時代に採集した昆虫を飼うのに失敗して(たいがいは放置して)、ずいぶん数多くのカブトムシやクワガタ、バッタたちを死なせてしまったことへの罪の意識が働いている・・・ということもあるのかもしれない。

虫が苦手になる一方で、以前よりも、彼ら小さいものたちの命を、大切にするようになったとも思う。
私は生活の中で、彼ら昆虫たちが困っている状況があれば、できる限り助けることにしている。

と言うとかっこいいが、あくまで「できる限り」の話である。
コンビニの天井に留まったトンボのような、保護するのが(捕まえるのが)困難なケースは、割とあっさりあきらめるし、ゴキブリやムカデのような人に危害を加える害虫については、「ごめん」と頭の中で呟いてから、退治することにしている。
という訳で、私の行為は聖人君子の行いとはずいぶん違う。
自己満足と言われれば、そこまでの話ではある。

さて。
きょうは部屋の中に紛れ込んだガガンボ(蚊の大きめの生き物)を、そっと外に逃がしてやった。
成虫で冬を越そうという個体だが、さすがに寒さで動きがにぶく、あっという間に紙コップで捕まえることができた。
玄関の外で紙コップから解放してやると、彼(彼女?)は、いずこかへゆっくりと飛んでいったが、これでほんの数日でも長生きしてくれれば、幸いだ。

前述のように、あくまで「できる範囲」のレスキューなので、自らの命を投げ打ってまで、全ての命を助けようとまではとても思っていない。
でも、あまり無理をしない範囲で、これからも小さい生き物を助けていくだろうとは思っている。

うっかり気づかずにつぶしてしまいそうな、大きさわずか1ミリの小バエも、10センチもある大きなショウリョウバッタも、みんな生きている。
「生きている」という点では、どちらも我々人間と同じ命を持っている。

命ってなんだろう?

命という存在の、なんと不思議な、尊いことよ。


メインページへ→ |HomePage

My追加