父はもともと体が弱かった。 僕が小さい時、心臓の手術をして その後、何度も入退院を繰り返していた。
だから父親ではあるが、歳の離れた友達のようでもあった。 喧嘩も度々したが、それでも仲は良かった。
病院に運ばれたあの日も、気分が悪いと言い 部内にある休憩室で父は少し休んでから病院へ運ばれた。
会社の近くの病院到着後、父は吐血し 大きな病院に搬送されたが意識はなかった。
僕が最初に病院に着いた。 家族はまだ到着していなかった。 横たわる父は、生きているようには見えなかった。 膝が笑い、立っているのも難しかった。 どうしようもない絶望感と最悪のシナリオの予感。
家族が遅れて到着。 そして数分後、心臓停止。 泣きながら、叫び続けた。
10分後、蘇生。
その晩、奇跡的に意識が戻り、父と握手をした。 蘇生した人間とは思えないほど力強く 父は僕の手を握った。短いようで長い間。
父は、全てわかっていたのかもしれない。
その後の面会は、薬で眠らされたまま。 反応も皆無に等しく、一言も交わさぬまま父は帰らぬ人になった。 父親の死んだ日、空は青かった。 葬式も、火葬された時も空は青かった。
あれから1年以上経過。 何一つ忘れることはない。
ただ、自分の誕生日に親父が唄う調子はずれの 「Happy Birthday]の歌が聞きたくてたまらない。
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