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2003年10月11日(土) 天翔百裂拳。

 表題だけで内容がピンときた人、挙手!(結構多そう)


日本産のトキが、とうとう絶滅してしまったそうです。

 享年36歳(推定)、人間に換算すれば100歳を超える
高齢だというので、なにが起こっても不思議ではないですが。

 なんでも、朝方に突然飛び上がり、保温室の扉に激突したのが
原因の、頭部挫傷による死だとか。

 
 江戸時代頃までは、それこそ今のカラスか鳩並みに、
数も多かったというトキ。

 夜明け直後の空の薄桃色を、「朱鷺色」と言いますが、
あれは、トキの羽根の内側の、鮮やかな色とよく似ている
ことからつけられた色の名前だとか。
なんだか風流な鳥ですな。

 しかし、実際には、田を荒らすので害鳥とされ、
またその美しい羽根を売ったり、肉を食用にするための乱獲で、
300年足らずで、その数はみるみる間に激減。

 「ニッポニア・ニッポン」という学術名を持つ鳥は、
同じ名前を冠する日本人によって、無残にも絶滅に追いやられて
しまう結果となってしまいました。


 自然淘汰による種の絶滅は、天が定めた運命で仕方がないと
思うのですが、人間という、この地球に生存する生物の中の
一つに過ぎない種が、利己的な傲慢によって、自然の摂理を歪めて
他の種の存亡を左右するというのは、ちょっとやり過ぎな気がします。


 でも自分たちの犯した過ちの結果として、激減してしまった生物を、
今度は閉じ込めてまで保護する、というのも、やり過ぎな気がします。


 最後のトキは、なにを思って、長年閉じ込められたケージの中で
飛び立とうとしたのでしょうか。

夜明けの空の色に、いなくなってしまった仲間の姿をみたのかな。


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まめ。 [HOMEPAGE]