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2003年10月12日(日) 違いがわかる男。

 木場の東京都現代美術館へ行ってきました。

「ガウディ かたちの探求展」
http://www.mot-art-museum.jp/ex/plan6.htm

 サグラダ・ファミリア聖堂など、奇抜なデザインの
建築で知られる、ガウディの展覧会。

 もともとガウディに関しては、一般教養程度の知識しか
なかったのですが、夏に清里でみた、写真家・細江英公氏の
写真展で、ガウディの建築物を写した作品が何点かあって、
とても印象に残っていたので。

 彼の手がけた建築物の映像、模型による検証の他、家具などの
展示もあって、想像以上の見応えがありました。


 非常に独創的・一見アバンギャルドとも言える外観の建築物
ばかりなので、デザイン重視なのかと思ったら、全っ然違う。
あれは、計算しつくされた、非っ常に高度な建築物なんだそうだ。

 まさに、奇抜にして繊細、大胆にして緻密。

 幾何学、物理学、「異なる荷重を受ける示力索とそれに
対応するアーチの構造上の強度」
がウンチャラカンチャラと、
数学やら物理やらが壊滅的に駄目な私には、サッパリ判らん
難しい話も多かったけど、なんつうか、

ヤツは天才だ ということだけは、よく判った。

 一見、曲線が多用されて、不思議な形の椅子も、座った人の
身体にフィットして、座りやすいよう、工夫されているそうな。


 特に上記の、アーチを多用した多層構造の建物での、アーチの強度実験、
「逆さ吊り実験」というのが、印象的。



 細い鎖を、建物のアーチラインに見立てて、ドレープ上に何重にも
複雑に垂らし、鎖(アーチ)の柱を支える部分に、細長い錘(柱)を
掛けた巨大な模型を、天井に吊るす。

 要するに、鎖で骨組み線だけの建物模型を、逆さまに造る。
アーチの上に柱が乗ると、当然のことながらアーチに荷重がかかるので、
アーチへの柱の加重の様子を、錘を鎖に垂らすことで、逆さまに表現。


 これを吊るした真下の床に、鏡を置いて、反転して鏡に映りこんだ
鎖の曲線が、もっとも自然で、強度的にも完璧なアーチの形になる
という実験。

 正直、文だけだと、どんなものなのか想像がつかないと思いますが。
(私も説明文読んでも、判らなかった)

 実際に目にすると、キラキラ光る銀色の鎖と錘で出来た模型は、
大きなシャンデリアのようで、下の巨大な鏡に逆さまに映ると、
ガラスと銀細工で出来た、繊細で綺麗なお城が、足下に現れたようで、
難しいことが判らなくても、文句なしに綺麗でした。


 すごくスペインに行きたくなった。


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まめ。 [HOMEPAGE]