2004年05月14日(金) |
俺の屍を超えていけ。 |
観てきました。「CASSHERN」 http://www.casshern.com/
宇多田の旦那 という、嘲笑というか苦笑というか、とにかく 微妙な枕詞つきで語られ、賛否両論真っ二つの評判を耳にする、例の映画。
実際に観た感想としては、思っていたより、ふつうに面白かった。
映像に関しては、想像(期待)どおりの出来の箇所が多かったし、 中だるみがあって長いなあ、という印象があるものの、後半部分で 主題となる主張を、思ってたより掘り下げていたので、ちゃんと 映画になってた。
…トリ頭の私には、ちょっと判りにくい箇所も多かったけど。
前半は、畳み掛けるようなビジュアル重視のコマの連続で、 ビデオクリップ撮ってる人だよなあ、って雰囲気。色が特に綺麗。
あからさまに力が入った、抜群に綺麗な構図のコマが、話の流れを 断ち切る勢いで、いきなり挿入される訳。 特に、麻生久美子が出てるシーン。
確かに象徴的で重要だと思われるシーンもあるんだけど、なんで こんなシーンに力入れるかな?って箇所もあるんで、きっと 「こういう絵が撮りたい」ってキメキメの絵コンテを 何枚か話の流れに沿って並べて、その間を話が繋がるように 埋めていったんだろうなあ、という感じ。
とにかく前半は、配役も含めて見た目勝負。
そして出てくる映像のほとんどが、 宇多田のビデオクリップで既視感ありあり。
そういう意味で、期待を裏切らないつくりです。 ただ、戦闘シーンはもうちょっとキチンと作った方がいいと思います。
動体視力が追いつかないスピードのコマ割りと、 眼力&顔面力ですべてカバー っつうのは、 ちょっと無理があったかも。
話の内容としては大方の予想通り、 前半の主役は唐沢クン、後半の主役(つうか本命)は、寺尾聰、 全編通しての大ヒロインは、樋口可南子 でした。
キャシャーン役の伊勢谷クンは全体的に影薄かったなあ。 麻生久美子は、あくまでビジュアル担当ってことで。
ミッチーの役が、楽しすぎました。 大滝秀治の息子のクーデター場面、笑いをこらえきれずに 手を叩いて大はしゃぎしているシーンが、えらくツボ。
そして、ミッチーはモックンと並ぶ、私の中のスーツキングに決定。 絶妙な撫で肩具合と恰幅の良さと襟足の綺麗さで、胸キュン。
映画の主題としては、それほど目新しい問題提起でも主義主張でも ないのですが、話の帰結がなんだかちょっとね…。
総括すると、背筋がモゾモゾしてくるような、 母性礼讃、盲目的聖母信仰 と相俟って、
実写版・エヴァンゲリオン みたいだった…。
寺尾聰が碇ゲンドウで、伊勢谷クンが碇シンジ。 樋口可南子がみんなの綾波レイで碇ユイ。(オタク丸出し)
面白くない訳じゃないけど、結構観る人を選ぶ映画だよね。
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