ウチの近所の商店街に、妙にガーリーな女主人(妹談) が営む 猫の額ほどの広さの古本屋さんがありまして。
妹と散歩の途中、ふらりと立ち寄りましたところ、 こんなチョイ寂びれ気味の、普通の商店街にはありえないほどの
いっそ、中野ブロードウェイ2階にあった方が妥当じゃないか (3階でも4階でもなく、あえて2階。しかも早稲田通り側)
と思えるディープな品揃えで、時が経つのも忘れて、ウキャウキャ物色。
他にお客もいない狭い店内、盛り上がる姉妹の会話が聞こえたのか、 はたまた、森茉莉の「マドモアゼル・ルウルウ」(初版)を 熟読する姿に、同族の匂いを感じたのか。
女主人が、秘蔵のブツを次々と見せてくれましたよ。
「アリス的少女世界特集本」 横尾忠則の装丁、吉行淳之介との対談付き「四谷シモン本」 日本未発売と思われる、「ハンス・ベルメール写真集」 旧仮名遣いの本文に不気味可愛い装丁の、「グリム童話集」
特にアリス本は、四谷シモン・澁澤龍彦・森茉莉のエッセイが入っていて、 不思議の国のアリスの評論やら、ルイス・キャロルの性癖関連の資料満載の まさにドンピシャな一品。
思わず、球体関節人形の話題で一頻り女主人と歓談。 さらに、好きな映画の話なんて全然してないのに、
セルジュ・ゲンズブールの写真集まで 見せてもらっちゃったよ。(女主人の解説付き)
あんなに本屋で楽しかったことってなかった。
あまりに判り易くて底の浅い自分の趣味嗜好に いたく羞恥心を刺激されましたが。
結局、所持金がかなり心もとなかったので、購入は2冊のみ。
カニバリズム・アンソロジー 「怖い食卓」 http://tantei-jp.hp.infoseek.co.jp/anthology/hokuso006.htm
北原白秋訳 「まざあ・ぐうす」 http://esbooks.yahoo.co.jp/books/detail?accd=01822108&introd_id=Xmo46Wkoo36i9m99i819iXXi62G93468&pg_from=u
どっちも装丁が綺麗でねえ。眺めるだけでうっとりさ。 購入した本にさりげなく添えられた、可憐な野の花の押し花に 女主人の乙女心を感じました。
自分の好みとドンピシャな品揃えで、しかも良心的な価格設定の お店を見つけるというのは、運命の恋人との巡りあいと同等の確率 だと 思うので、このご縁は是非とも大切にしたいものです。
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