氣遣ひ
 「頼むよ。助けてくれよ。」
 口には出さ無かつた、文字にもし無かつた、其の言葉を何時の間にか彼女は受け止めて僕に柔らかな感情を渡してくれた。
 手を差し伸べて引き上げて自ら空を見て笑へる樣に、そう僕が自ら兩腕に抱え込んでゐた重石の存在を忘れる樣に、彼女は手助けをしてくれた。
 決して、途中で助けられてゐる本人の僕が其の事實に氣付いて逃げ出さぬ樣に心を配つて。
2002年07月26日(金)
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