避難先
 別に避難場所を作り上げてから逃げた彼女を罵る氣は無いよ。
 唯、其の避難先が僕にとって酷く大事なものであっただけ。

 寶物を幾人かの腕から奪い取り手にした氣分はどんなものだらうか。
 酷く乾いた氣分になり虚しさと焦燥を感じては居無いだらうか。
 其の氣持ちをうまく自分の中で彼女は消化出來得るだらうか。

 衝撃に何とか耐えた今、僕は亦自分より他人を氣遣ふ振りをし始めてゐる。
 僕が感じた虚しさと類似した虚しさを抱える結果を選んだ彼女を心配する振りをして、一番僕が考へて居るのはどうせ自分の事なんだ。
2002年08月15日(木)
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