天邪鬼の結果
 息を詰めて讀んでゐました、僕が一昨年からずっと見守り續けてゐた美しい女性の其の日記を。
 彼女の頑迷さが捻くれ振りが内に籠る言動が僕は僕のものと似てゐる氣がして彼女から目を放せず、かといって其の類似故に接觸も出來ずに居たのです。
 僕が自分と似た愚か者を疎ましく思ふ樣に彼女は僕を疎ましく思ふかも知れ無いと思ふと如何しても僕は接觸出來ませんでした。

 まことゝゝゝまことゝゝゝまことゝゝゝまこと…眞、誠、信、愼、實…其ればかりが日記に在って…。
 眞實って何處に在るのでしたつけ?誠實さは何を産み出せるのでしたか?信じると決めた其の心が頑ななものに變化してしまふのは當然の成り行きなのですか?

 彼女の選擇と迷ひと決斷の結果。あの結果は僕の結果に成り得るかも知れ無いのです、彼女の經過がさうであった如く。
 追ひ詰めて、傷付けて、責めてばかりで…思ひ遣りに缺ける己を知り乍ら素直には爲り切れずに上手く思ひを傳へられ無い。其れが彼女だけだとは僕には決め付けられませぬ。

 きつと僕は同じ道を辿り、少しでも距離が離れたら僕は君の所爲だと僕の弱った部分を見せ付けるでせう。
 感情は外に出る事無く僕の中で縺れ、其の縺れを解して表に出さうとすればする程僕は感情を表せ無くなり惡循環に陷ります。
 戀愛下手な人間ほど想ひが深く、そして想ひを胸に詰まらせた儘腐り易いから。
2002年08月24日(土)
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