バスから降りて家へ向かっているときに、 家の近くの公園の前を通った。 ここはいつもロビンが散歩に行く公園だ。 その時間帯の公園は、郵便屋さんの休憩場所らしく、 数人の郵便屋さんが雨がっぱ姿でおしゃべりしていた。
雨に濡れるぶどうのつた棚。 そういえば、小学生のころに、ここでぶどう狩りをしたなぁ。 そのころはロビンの散歩の時間はもっと遅くて、 ここに来ると散歩中の犬がたくさんいた。 私はお父さんにくっついてきて、 ブランコに乗ったり、なわとびをしたりしていた。
そのうち、秋になってつた棚にぶどうがたくさんなった。 ロッキーという犬の飼い主のおじさんが 脚立とはさみを持ってきて、 みんなでぶどう狩りをしたんだ。 そのぶどうはちょうどいい甘酸っぱさで、 とてもおいしかった。
私は次の年もぶどう狩りをするのを楽しみにしていたのに、 次の年、ぶどうはほんの少ししかならなかった。 おじさんも道具を持ってこなかった。
そのうち、犬たちの散歩の時間がずれてきて、 今では散歩中に他の犬に会うことは少ない。 ぶどう狩りのこともほとんど忘れていた。 楽しくて、ちょっと切ない思い出だ。
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