2学期に入ってからずっとやっていた地理の研究発表がやっと終わった。 各国についての仮想ツアーを班ごとに立てて、 最終的にプレゼンをするのが授業内容だった。 自分で研究をして発表するのはわりと好きだったし、 班員もなんだかんだやることはやる人ばかりだったから、 積極的に進めることができたし、発表もうまくいっていた。 それなのに、最後の最後でこんなことになるなんて、まったく後味が悪い。 地元の図書館で借りていたガイフドブックが一冊なくなってしまった。 誰かが持っているのかと思って班員に聞き回っても、みんな答えは同じ。 「持ってないよ」 股貸しした私が悪いのは分かってる。 けれど、どうしてみんなだらしないの!?と叫びたくもなる。いらつく。 ひょっとしたら、みんな本当に持っていないのかもしれない。 ごたごたしている間になくなっててしまったのかも。 こんな事態になると、どうしても誰かを疑わざるをえなくなる。 私は誰かを疑うのがとても嫌いだ。 自分や誰かを責めなくてはならないのも嫌いだ。 そんなことを言う私が偽善者なのか。 もしみんながそう思っていても、いい。 とにかく今私はとても悲しくて、暗い気分だ。 嫌いじゃなかった、むしろ、好きだった班員を疑わなくちゃいけないのが悲しい。 大好きな図書館に行きづらくなるのが悲しい。 図書館の司書さんが「こちらで処理しますからいいですよ」と笑って許してくれたのが悲しい。
だらしない人が得をして、きちんとしている人が損をする世の中なんて悲しい。
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