2002年10月28日(月) みんなのおかげ


自分の絵を見られることに、なんとなく抵抗があった。
というよりも、恥ずかしかった。
アトリエの先生や生徒はみんな絵が好きだから、
見られるのにはまったく抵抗はない。
仲良しの友達も、私の性格をよく知ってくれているから大丈夫。
問題は、ただのクラスメイトや顔見知り程度の人だった。
私の絵はけっして上手といえる類のものではないので、
「へんな絵」とか「へたくそ」とか思われるのが怖かった。

それでも、最近は学校に絵を持ち歩く機会が増えた。
正確には、絵の写真、だけれども。
推薦の書類に使うので、ポケットファイルに入れて持ち歩いていたのだ。
授業中や休み時間に書類を作ることがあって、
そうすると、みんなやっぱりファイルを見たがるので、
照れながら見せるようになった。
みんな私の絵を見てどんなことを思うんだろうと、ドキドキした。

「すごく優しい絵だね」
これは、美術選択で一緒になった中西さんの言葉。
同じクラスになったことはあるけれど、
そんなに仲良くもないし、私とは雰囲気も全く違う子だ。
けれど、彼女は絵やデザインがとても好きで、
だからかも知れないけれど、私の絵を誉めてくれた。
それが本当に本当に嬉しかった。

他のみんなも、「すごーい」「うまいね」なんて言ってくれて、
私は今までよりももっと自分の絵が好きになれた。



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