登校日をかんちがいして、学校に行ってしまった。 今日は本当はセンター試験の採点の日だったみたい。 だから、大学が決まっている私は行かなくてもよかった日。 もし行かなくてもいいってことを知っていたとしても、 私はたぶん学校に行っていたんじゃないかなぁ。 学校に行って、みんなに会いたかったから。
「まちがえて来ちゃったよ」という私に「アホ」というさじお。 英語193点・全体8割超のしょうこの快挙を、ふたりでやったーって喜んだ。 「ナベさん、おれやべーよ。数学34点だったんだけど」とヒソヒソいう小黒くん。 気象予報士志望の慎吾くんに、天気予報図入りの凝った年賀状のお礼を言った。 教室を間違えている上に30分遅刻している高須。 ベンチにいた三原くんとおはようってあいさつし合った。 甲田ちゃんがセンターの応援メールを「ありがとう」って言ってくれた。
みんなみんな楽しくてやさしくて大好きな人ばかりで、 そんなみんなと大好きな学校で会えることがうれしい。 そんなうれしさを味わえるのも、あとちょっとなんだ。 みんなのいきいきとしたしぐさや言葉、そして瞳を、 ずっとずっと心の中にとどめておくんだ。 時がたって私もみんなもおじさんおばさん、 ひょっとしたらおじいちゃんおばあちゃんになっても、 今をあざやかに思い出していたい。 そう思える今を過ごせていること、それだけでもう十分すばらしく思えた。
|
|