芸術は爆発だ・・・・・・などとのたまって、一世を風靡してしまった芸術家がいるが、私はそれに対して是とも非とも思わぬまま、ここまできてしまった。肩書きなんかを聞かれた場合に「自由業です」と答えるようにしているけれど、こう見えて私も「芸術学士」という称号は取得したわけだから、芸術家として生きることもできたはずだ。
さて・・・・・・。
うちのバイト先、働いてるお姉ちゃんたちはほとんど全員が「役者」という肩書きを持っていて、日々勤しんでいる。役者の仕事だけでは当然食っていけないものだから、私も含め、あのお店にお世話になっているというわけ。 お客も当然そのことを深く理解していて、公演の前ともなれば、チケットを買ってくださったり、ちゃんと劇場に足を運んでくださったりと、並々ならないご協力を賜っているのである。 が、ここしばらく、誰も公演やら稽古やらで店を空けない(苦笑)。決まっている人たちはちらほらいるのだけど、結局、昨年3月の私の芝居から、年末を迎える今まで、公演を理由に長期欠席する人がいなかったのである。心強きサポーター(お客)たちは、来店の度にこう口にする。
「次の公演はいつなの?」
この言葉に対して、何月です、あと何ヶ月先に控えてます、と明るく笑顔で答えられるときは全くもってこちらも負担にならないのであるが、私は今、本業において完全失業中なのである。それでも一生懸命笑顔で、「しばらく予定が入ってないんですよね・・・・」と答えて応援をつないでいかないといけない。動かなきゃなぁ・・・・とここ何ヶ月かで数本のオーディションに書類を出したが、その書類すら通ってくれないのである。気分転換に宣材の撮りなおしに行きたいところでもあるのだが、いかんせん金がない(貧)・・・・。
この夏、私にはやりたいことがたくさんあった。 まず、歌を習いにいきたかった。 ダンスと違って、歌のレッスンはマンツーマンだからレッスン料がバカ高い。 バイト、増やさなきゃ・・・・。 それに新しい所属事務所も探さなきゃいけないし・・・・ あぁ・・・・きっと忙しくなるなぁ、と希望に満ち満ちていたのであるが、それを打ち砕くように発作がバンバン出て、せっかく友人が紹介してくれた新しいバイトをドタキャンしてしまったり、それどころか、今まで行っていた店にすら行けなくなったりとか、もう根本からおかしくなってしまったのである。 こうして計画が御破算になってしまった私は、今年中に何とか1本芝居を打つのが目標ではあったのだが、とりあえずおとなしくしていることにして、何とか年末を迎えたのである。
今朝方、電話である人から、普段お客に聞かれていることと全く同じことを聞かれた。
私はもうこの瞬間に疲れきってしまった。 バイト中での出来事は、おおよそ笑顔と勢いで乗り切ることができるのだが、プライベートで、しかももうこれから寝るぞ〜という全く素の状態でこの言葉を浴びせられると、余裕とかそういうのも全部吹っ飛んで、はっきりいって、会話そのものが面倒になってしまう。 親に対してすらそうなのだ。 が、親には、それこそ「芸術学士」をとるために多額の出資をしてもらっている手前、私は彼らに対しては逆らうことを知らない。やめて帰ってこいと言う反面、彼らは遠い田舎で必死に私のことを応援してくれたりもするのを知っているから、なおさらやめたくないのもある。耳に痛い小言も甘んじて受けようというくらいの気持ちの用意くらいはいつでもあったりする。 しかし、赤の他人にこの言葉を言われると、その人に対して理由のない敵対心みたいなものが生まれてしまう。私の余裕のなさであったりとか、今のこの状態を作ってしまった自責とか、そういうのをわざわざ頭から浴びせかけられるみたいな変な被害妄想みたいなものがむくむく湧いてきてしまうのだ。それが、私のこの状況を知っている人に言われると、もうその怒りみたいなものも半端じゃないのである。
まぁね・・・・。私の努力が足らないと言えばそれまでなんだけどさ。
とはいえ、イクスプロージョンの準備には、もう少し時間がかかってしまうのかもしれない。焦るな、焦るな、と逸る心情を無理やりに押さえつけて周囲を見ることに必死な私をただ煽らないでほしいのだ。
ねえ、先生・・・・・・ このままだとさびついちゃうよね・・・・・・? 体をさらすために、何をしなきゃいけないのかわかんなくなってきてるんだけど、 動いても、動いても、あてどないよね・・・・・・。 でも、やめずにいるよ。 動けなくなるまでやるって、決めたし。
もう1回、カンガルーでも見にいってみる。 あと、体の中をきれいにする。 呼吸だけで、観客をイかせる技術、もっと頑張って覚えとくんだった(笑) あなたが口をすっぱくして言ってたことが、今さらながらに身に沁みるよ。
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