2001年02月26日(月)
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超合金と魚肉ソーセージ |
ウルトラマンが数年前に爆発的なヒットと共に、美しき復活を果たした。 仮面ライダーも新たな姿になって、つい最近、大人をも魅了するヒーローとして立ち上がった。
んじゃ、5人で地球の平和を守ってきた、アノ人たちは・・・・??
健在なのであります。 子供にとってのヒーローは、超合金になってきた(ならなければならない)。 もしくは、ソーセージのパッケージとして、スーパー店頭に並び、母親が無視しようとも子供が勝手にカゴの中に放り込むくらいの勢いがなければならない。 ・・・・などという昔ながらの定石は、近年すっかり下火になってしまったけれど、それでもおもちゃ業界は地球の平和を守るヒーローに敬意を表し(ているかどうかは知らんが)今なお、年々登場するヒーローたちを商品化している。 ゲーム業界に押されまくり、ポケモンとかいう黄色いねず公にシェアを獲られまくっても、カード化されなくて注目を浴びることがなくても、細々と地球の平和を守り続けているのである。・・・・涙ぐましい((( T_T)
今は競馬番組をはじめ、数々のバラエティ&ドラマでも活躍しているさとう珠緒だって、芸能界にいた頃は美少女と騒がれたかと思いきやあっという間に引退し、すっかり電脳化してしまい会社まで興した千葉麗子だって、女子アナに扮して活躍中の水野美紀だって、「ファイト一発!!」と叫んだケイン・コスギや西村和彦だって、昔はすんごいリーゼントだった嶋大輔だって、元・陸上選手、現モデルの照英だって地球の平和を守った。
かれこれ20年程前、私は今はもう亡くなってしまった祖母にこう質問したことがある。 「ねえねえ、どうやったらJACに入れるの?」 すると祖母はこう答えた。 「お前は運動が得意やないから、無理やろ。あぁいうとこは、体育のようできる人しか入れせんのやよ。」 妙に説得力があった。 当時、既に右肘を複雑骨折していた私は、利き腕の腕力は人並み以下だったし、走るのは遅い。器械体操その他の類は腕のハンデもあってやっと人についてゆける程度・・・・祖母はきっちりと私の素質を見抜いていた。
Japan Action Club・・・・通称JAC。 千葉真一氏が創設したアクション・スタント専門の俳優養成事務所だ。 幼少の私たちに一番なじみのある部分では、スーパー戦隊モノのスーツアクターがJACの人々だった。これは前述の祖母に入れ知恵されたネタで、 「σ( ̄∇ ̄)もサンバルカンになりたい♪」 「ギャバンの女の子版になりたい♪」 などなど、無理な夢を諭すのに祖母はJACというのを持ち出していた。 勿論、当時の私は物心ついて幾分経っているので、テレビに出てくる悪の秘密結社なんか本当はいないことも、そういうワルモノに5人1組で立ち向かう正義の味方が俳優であることもわかりきっていた。そういうつまらない子供だったので、上記の質問も自分なりにはかなり現実的な考えのモトだったのである。 「サンバルカン(ギャバン)になりたい」 イコール、 「そういうことをする人になりたい」 になるのであって、つまるところ 「どうしたらJACに入れるのか」 に発展していったのである。 運動が苦手な私のウィークポイントを祖母が上手につつくことで、JACに入るという夢は儚くも消えていったのであるが、26歳になる私をノスタルジックにさせる番組がつい先日、始まった。 百獣戦隊ガオレンジャー である。
私はついこの間知ったのであるが、このテの類のスーパー戦隊モノは、今年で25周年を迎えたらしい。ウルトラマンや仮面ライダーのように、途中で消え去るこなかった正義の味方だ(笑)。 25年もの間、地球は色んな悪に目をつけられ、その度に5人(もしくは3人、ある時は4人)組の若者が1年周期で立ち上がり、1年がかりで悪をつぶすや否や、また新たな悪が・・・・といったことを、ず〜〜っと続けてきたことになる(笑)。中にはいくつもの戦隊を兼任したり、親子2代にわたって平和維持に貢献したり、そうかと思えば、地球の平和を守っていたハズの人が、数年後には悪の手先として登場したりと、子供の夢をあっさりとぶち壊す設定も稀にあったりした。 で、たまたま日曜の早朝、早起きしたものだから、初回の放送を見てみたのだが、これが結構面白いのである。 筋書きは基本に忠実で、絵に描いたような勧善懲悪。そうやって悪をのしていくのだが、このご時世、理由のない暴力は許されない。何かあると「いじめにつながる」と騒ぎ立てる大人たちがいるので、近年はすっかりそちらへの配慮もなされているらしい。正義の味方も悪に対してただめちゃくちゃに暴れるのではなくて、「諭す」という方法をとるようになり、それでダメだと「それ〜っ!!」とばかりに攻撃(笑)。そんな理由のハッキリした懲悪は、大人になった私をも「うん、なるほど・・・・」と頷かせる。
昔のヒーローたちの変身グッズといえば、古くは仮面ライダーのベルト、デンジマンの指輪、これ以降になると、しばらくはブレスレット系が多かったようであるが、21世紀第1号のヒーローは違った・・・・なんと、携帯電話が変身道具になってしまっていたのだ(爆)。これには笑えた。名称も「Gフォン」・・・・腹がよじれる思いがした(爆爆)。 こういうモノは、すぐさまおもちゃ会社が商品化する。番組の半ばでもよくある超合金ロボットと並んでCMが流れていた。 ホントに、このあたりの販拡はうまいと思うのだ。 大人たちのほとんどが持っている携帯電話はもはや、子供の目の届かないところだけのものではなくなってきているこの現状。子供は本当に通話できる電話より、手足が出てきてロボット型にも変わる「Gフォン」を欲しがるだろう。これぞ時代性を考慮した設定だ・・・・思わず脱帽(笑)。
加えて思うのは、このテの実写版子供向け30分番組は、25年もの定石に則り、怪獣は巨大化するし合体ロボットも登場するけれど、クォリティーそのものはかなり上がってきている。きっと目覚しいCGの技術向上で映像がめきめきと上質に加工できるようになったことを一番喜んでいるのはこの業界の人なのかもしれない・・・・と思ってしまうほどに、面白い作りになっている。大人も十分に楽しめる。 昔は子供にもバレバレのクロマキー合成ばかりを多用していたシーンの数々・・・・それが今では大人も唸らせる。・・・・否、大人は昔のクォリティーを知っているから、余計に感慨深くなるのかもしれないな。 少し残念なのは、撮影で使われている火薬の量が明らかに激減したことだろう。 私が7〜8歳くらいの時に、一生懸命地球の平和を守ってくださってた人々は、凶悪な敵の他にも、物理的に火薬との戦いも強いられていたように思われる。 生身の人間がとんでもない規模の爆発の中を駆け抜けるシーンも多かった。何年か後に再放送をちらりと目にしたことがあったが、やっぱりド迫力であった。 この爆発も、当時を頂点に徐々に失速していき、それこそバブルがはじけてからは撮影費削減の為だろうか、それとも俳優の安全を考慮したためか、火薬は必要最低限、ヘタをすると爆発シーンも合成で済ませてしまうというお粗末なものまで登場するようになった。
そんなこんなでスーパー戦隊モノをすっかり見なくなってしまったある日。 とっても面白いヒーローものが始まったぞ、と演劇部の部室が盛り上がった。高校時代のことである。 その5人組は地球の平和を守りつつも、うち3人が三角関係で始終ラブロマンスなのだという(爆)。 ( ̄∇ ̄;) ついに地球の平和を守る若者も自らのプライヴェートを売り物にし始めたか・・・・と、幼い頃にこだわりを持って数々の戦士たちを見守っていたσ( ̄∇ ̄)以下数人は、この現状に嘆いたが、何せ戦うだけのヒーローの世界では初めての試みである。面白がって見ているうちに最終回を迎え、結局、赤いのと白いのが結婚してしまうという結末だった(爆笑)。これにはそれこそ腹を抱えた。 後年耳にしたのであるが、この作品、子供には勿論のこと、一緒に見ていたお母さん連中にこそ大人気で、ビデオになるや否やレンタルでもとてつもない勢いで貸し出され、しばらくは待機状態が続いていたのだという。子供にもわかりやすい筋書きの上に乗っかったラブロマンスは正に昼メロ。感情移入・人物批判するにはもってこいなのである。 子供だけでなく、ママまでとりこにするスーパーヒーローたち・・・・ 深いよ、あんたたち( ̄∇ ̄;)
JACに入ることなくここまで大きくなった私は、また新たに戦う人を見てこう思うのである。 「あたしの子供が生まれるまで、地球をつけ狙う悪が絶えませんように・・・・」と(爆) そして母親になった私はきっと、子供と一緒に後楽園ゆうえんちに行き、ついでに自分も握手してもらっちゃったりするんだろうな・・・・と。
追記
そういや、大学時代の同期だったヤベちゃん、元気かなぁ。ヤベちゃんはJACに入り、休日ともなると郊外の遊園地やデパートなんかで悪と戦ったりしていたっけ・・・・。 「夕雅ちゃんっっ、俺、今度の日曜、大宮でブルー入ってるから、ヨロシクっっ♪♪」
八王子在住の彼がどうして大宮まで行って暗く落ち込まねばならぬのだ!?と思い、尋ねてみると、どうやら5人のうちの青いヤツの中に入るスーツアクターをやるという意味だったらしい( ̄∇ ̄;) そんな彼は、σ( ̄∇ ̄)に「美しいケリの入れ方」というのを教えてくれる、とっても親切な人であった(爆)
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