2001年12月22日(土)
嗚呼、哀しきゲージツ家の血統 〜弟の作文に天然と才能を感じる〜

 つい先日のことである。
 母・サヨコが何やら発掘してきて、そして物凄い勢いでゲラゲラと笑っているのである。
 発掘現場は2階の東側の部屋。12畳ほどはあるだろうか。
 今は、母・サヨコの御息所となっている部屋だが
 そこは、その昔、弟・リョウヘイが自室として使っていた。



 発掘したもの。



 弟・リョウヘイの小学生時代の作文ファイル


































・・・・・。























 見れば、彼が小学2年生・3年生時代の作文がそこに綴られているのである。
 自分が昔に書いたものは、なかなか気恥ずかしくて、見る気も起きないが、
 弟となれば他人のはじまりとも古人も言っている。






















( ̄ー ̄)ニヤリッ























 あたしも見ぃ〜ちゃお〜う♪♪






















【題名】おかあさん
2年3組 日野リョウヘイ

ぼくの、おかあさんは、ほけんがいしゃに、つとめています。
月ようびは、いつもおそくかえってきます。
ぼくたちが、学校へいってから、かいしゃへいきます。

ぼくのおかあさんは、なわとびの二じゅうとびをつづけてとぶことができません。
きょ年二じゅうとびをやってもらったからわかりました
(※1)

おかあさんは、ときどき、ぼくたちがたべるごはんをつくってくれます
(※2)

おかあさんは、夜おそくねます。
わけは、おとうさんのかえってくるのをまっていて、
ごはんとかをつくるからです。
おかあさんは、ときどき朝おこしてくれます。

おかあさんは、トイレにはいると、とてもながくはいっています
(※3)
でもぼくが「かわって。」というと、ちょっとしてかわってくれます。

おかあさんは、トイレに、はいると、ちゃんと
(※4)しんぶんをもっていきます。

おかあさんは、かいしゃへいくときは、はやいときで8じごろ。
おそいときで8じをだいぶんすぎます。
かいしゃから、かえってくるときは、はやいときで、5じごろ
おそいときは、9じごろになります。
おかあさんは、こしが、いたいから、ときどきはりをやってもらいにいきます。

おかあさんは、おこると、ほんきでおこります
(※5)
ほめるときは、すこしです
(※6)

日よう日は、もちろん休みます。
おかあさんがねるじかんは、10じをもっとすぎます。
ぼくは、あさおきてねむたくないのかなあとおもいました。




[先生のコメント]
つかれてみえる(訳:つかれていらっしゃる)おかあさん だいじにしなさいよ。






















 あたくしも弟のことをとやかく言える立場ではない。
 母・サヨコの素行に関しては、
 この日記でも、随所で述べて、爆笑のタネにさせて頂いた。












 しかし・・・・・コレは。


































ぎゃははは _(__)ノ彡☆ばんばん!




















 我が弟ながら、よくやったと誉めてやりたい出来である(爆)。
 小学2年生・・・・7〜8歳でこの観察力。
 支離滅裂ながらに、サヨコを端的に描写する強引さ(爆)。
 で、思いっきりな描写に頭を抱えたとしか思えない先生のコメント。
 (あたくし的にはこれが一番笑える)
 母・サヨコ、コレを始めとする作文を読んで、大爆笑をしていたというわけで。



 ちょっとワケがわからなすぎるので、注釈を入れて見ましょう。

 ※1 あった、あった! こんなこと。
    当時、縄跳びの二重飛びの手本を見せてくれと弟にせがまれ挑戦したところ、
    無残に散ったところを、こう表現されてしまったらしい。


 ※2 「時々かいっ!」とツッコミたくなるところですが、
    当時は、炊事はほぼ祖母の仕事で、母は仕事に出ていた。


 ※3 トイレ事情まで暴露される、母・サヨコ・・・・気の毒としか言いようがない。


 ※4 「ちゃんと」というのは、こちらの方言で「必ず」という意味。


 ※5 子供に見抜かれるような怒り方では、サヨコもまだまだである(爆)。


 ※6 この対比には頭が下がります(爆爆)。









 ある意味、ゲージツ的よねぇ・・・・と、感心していると、
 それを遥かに凌駕する衝撃的な作品が出てきた。

















【題名】サクラのつぼみ(まあ、普通だわね)


サクラのつぼみの色は、くろっぽい色で、こげ茶色のようにも見えます。

ぼくは、赤っぽい色じゃないのかなぁ。と思ったけど、
ぎゃくに赤とはちがってくらい色でした。

形は、やっぱり長いまるやろう
(方言投入!!)。と思ったら、
そのとおりで、長いまるでした。

ぼくは、四月になったらさくんだから、きっとやわらかいにちがいない。
と思った。
(なかなかイカした句点の使い方(爆))
でも、かたいので
どうしてかたいんだろう。
と思った。

大きさは、あまりふくらんでいなかったので、小さかった。それで、
「あんまりふくらんでないな」
と、池原くん
(転載ごめんね、池原くん)と、話しました。


(中略)


サクラのつぼみは、まるで、小さい、たけのこに見えました。





















 コレのどこが、衝撃的作品なのか、それは先生のコメントで明かされるのである。





















[先生のコメント]
いっしょにみにいったのは、
うめですよ。


































・・・・。
























 ま、まさか。
 こんなオチがあろうとは・・・・。
 わ・・・・笑いが止まらん。
 けっこう苦労して書いた感のあるこの作品の、いたるところに出てくる
 「サクラ」という単語そのものに
 先生もバカ丁寧に、二重線訂正で「うめ」と直しているのである(爆)。

 ここには訂正箇所を示さなかったし、あたくし的には美しい日本語だと思ったので
 直さずに彼の書いたままに転載したけれど
 実際は、語尾もけっこう直されていて、それが、また
 彼の個性と、学校教育の対比みたいなものを思わせてくれて、
 かなり楽しいのである(爆)。









 さて、ここまで来たので、もうヤケです。
 面白い詩を1篇発見したので、それも載せてしまいましょう。









【題名】うちのテレビ

うちのテレビは、くっきり
うつるけど、ときどき、
でんぱが、
とぎれたり することも ある。
でも だいたいの日は、
きちんと なっている。















 もう、この作文自体の電波が怪しげである(爆笑)。
 途切れ途切れな感が、なかなかイカしているけれど
 どうして、うちのテレビの様子をそんなにも描写したかったのか
 当時の彼に聞いてみたいくらいに、興味深いものではある(爆)。
 無意味なように見えて、効果的な改行、そしてスペース。
 いかにうちのテレビがボロかったのか、
 思わず、当時の様子を回想したくなってしまう。









 さて、ここまで来ると、気になるのは当時の山賊の生態である(わくわく)。

 あった、あった♪






















【題名】お父さんの一日

朝 六時。エンジンの音。
お父さんが、しごとに いった。
朝、はやいから、気がつかない。
夜九時ごろに
かえってくる。









































え?












コレだけ?












他には?




































 っていうか、気づかれてない山賊って、けっこう可哀想じゃん?(爆)
 働く「昭和のパパ」って感じはかなり醸し出されているけれど、
 分量は、「テレビ」と同じくらいで、
 サヨコをあれだけ細かく描写したにもかかわらず、
 山賊はたったコレだけなのである(爆)。

 ちなみに、サヨコの生態を描写した作文は前述の他にもう1篇あって、
 そこには、入院した祖母の看病をしている姿がありありと、
 まぁ前述のような天然さ加減で描写されているのである。




 この作文が発掘されたその日に、弟・リョウヘイが実家を来訪。
 無論、母・サヨコは無意味に喜んで、
 彼が食事をし始めるのと同時に、この作文を朗読し始めた。






















弟、噴く







 涙、鼻水、ご飯粒を、食卓にぶちまけた。
 いつ、どこに、この天然さを置いてきたの? と、聞いてやりたいところ
 彼すらこの様子で、
 察するに、「こんなにも面白い」モノを書いた覚えはないようだ。


 狙っていないところは、母方の血統だが、
 構成力と強引さは、父方の血統だ。




















 血は争えない・・・・・・(-。-) ボソッ























 ここにも、あの2人の血をきっちりと半々に分けて受け継いだヤツがいる・・・・(-。-) ボソッ


























 侮れんな・・・・(-。-) ボソッ



















 ヤツが作家へ転向するなどと言い出さないように、
 これ以上、刺激するのはよそう。
 そうなると、愈々、この家にあたくしが居られる場所がなくなる( ̄∇ ̄;)



 姉としては、この才能を何とか面白く生かしてやりたいところだが、
 如何せん、作品そのものが15年以上前のモノなので、
 今、どうなんだかというのが、計り知れない。



 しかし、このあたくしと彼が
 きっちりと血を分けた姉弟であるというのは、これでハッキリした(爆)。
 生産元も同じだということも、ハッキリした(爆爆)。
 もし、彼よりもあたくしの方に
 より、濃くこの血統が受け継がれたのだとしたら、
 やっぱり、天を仰いで感謝すべきなのだろうか。



 嗚呼。哀しき血統。
 小学生時代に見せていた、その天然さの片鱗を
 彼が見せることは、今後、もうないと言ってもいいだろう・・・・。

 それが、大人になる・・・・イコール
 両親の血を混合させて、1つの「個」を確立させるということなのかもしれない。



あさみ


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あなたの毎日にずぅむいん・・・・

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