2002年01月29日(火)
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小さな親切、大きなお世話 |
大垣−名古屋間・・・・片道740円(たった30分ほどの距離なのに) 名古屋−伏見間・・・・片道200円(たった一駅なのに) 片道、計940円・・・・往復1880円。
と。 田舎はこのように、公共交通機関を使うととっても不経済なのであります。 あたくしが上京したときにまず思ったのが、電車やバスの料金が 異様に安く、かつ便利だということ。 これなら、車なんか要らないや。
地元に残った人たちは、先を争うように自動車免許を取って 親に頭金を借りつつ、自分の車を持つのにはそれなりの理由があって、 電車やバスが、あまりにも不便で、しかも郡部に行けば行くほど 交通手段が限られてくるので、車は必須アイテムとなる。 ガソリン代はいうほど高くはない。駐車場代みたいタダみたいなものだ。
都内で車を持って生活していたら、まず維持費で躓くだろう。 それに、主要幹線道路は、いつだって渋滞覚悟。 電車の方が、迅速かつ安全かつ確実なのである・・・・。
が・・・・・・
こっちに戻ってきて以来、本当に車の必須性を何度思い知らされたことか。 母上や、ダーリンが運転する車無くして、あたくしの生活は成り立たない。 一応、あたくしも普通免許は持っているけれど、 運転させてもらえない。 いつ発作を起こすかわからない危なっかしさと、 長年運転をしていないという、ペーパー(ぺーぺー)ドライバーという肩書きが そうさせている。 そんな本日。 名古屋に用事があったので、件の値段を支払って、現場に出向いた。
例の「所詮、名古屋の事務所」の説明会を受けるためである。
2次選考のときに同じ場所を訪れ、同じ人と話をしたのであるが、 あたくしの、ファーストインスピレーションは、奇しくも大当たりしていたようだ。 ダメ。 合わない。 っていうか、この先方のテンションは異常。 そうだな。 大阪芸大や近大の実技・面接をした時と同じ感覚。 所詮、仕事をする以上は、相性のいい人同士がやるのに越したことはない・・・・と この10年程で、イヤってほど染み付いたあの感覚。 無論、選択権は先様にあるのだけど、 先様が、あたくしを不必要としている時の空気感というのは そこにいるだけで、ハッキリとわかるものである。 大学受験で、大阪芸大と近畿大学を受けた時に、面接官の前で いくら自分をアピールしても、ダメだったのは 彼らがあたくしを心の底から欲しがっていなかったことに他ならない。 結局、奇跡的に合格した第一志望の某大学は、何も偶然合格したのではなく 先様があたくしのことを必要としていただけといえば、正にそれだけである。
さて。 今回、2次面接も通過した、このプロダクションだが。 懇切丁寧に、色々と業界の売り込み事情などを事細かに説明してくれたが、 それに関しては、ハッキリ言って、無意味。
「年齢がねぇ・・・・。」
「ハッキリ言って、売り込む先では10代が主戦力だし・・・・。」
「舞台系、その他に関しても、何か賞をとっているくらいの実績がないと・・・・。」
コホン。 年齢不問・・・・あれは嘘ですか? っていうか、年齢がそんなに邪魔ならば、 どうして2次面接の合否通達の時に不合格と出さなかった?
更に!! 応募内容のところにハッキリと「作家」も募集しているくせに そういうところへの売込みへは行かないとはどういうコトだ? 賞?? そんなものはねえよ。 せいぜい、ハードカバーの数ページに入選作品が載った程度だよ。 芥川賞? 直木賞? 何いってるの? どうしてテレビ業界の人が、その業界の作家新人登竜門でグランプリを取った 金子ありさの存在を知らないわけ? ということは、北川悦吏子さんも知らないことになりますねぇ・・・・(;¬_¬);¬_¬)
あかん。 話にならない。 即戦力が欲しいのはわかるが、どこに重きを置いているのかがこれでよくわかった。 その前に、色々と業界の説明をしてくださるその親切心には頭が下がりますけど ハッキリ言って、その実態を色々と見てきたあたくしにとって 2000円(正確には1880円)も払って聞きにいくような話ではない。 その事務所の後ろにどんなデカいプロダクションがついているのかは知らないけれど、 所属俳優のメンツも明かせないようなところでは、 やはりたかが知れている。ヤバさ満載である。
確かに、登録に関して金がかからないというのは こちらにとっては大きなメリットであるが、 敷居が低いイコール、裾野も広く、 事務所内で作成するプロフィールファイルの分厚さも計り知れない。 その中から、1枚を選び出す・・・・なんていう作業は ハッキリ言って発注者のほうもやりたくないだろうし、 そんなファイルの中に、自分のが入っていることを思うと 恐ろしく、気が遠くなる。 専属契約は1年間ということだったが、その1年間、 また仕事ナシのまま過ごすことが明らかに予見できたし、 先様もそんなようなことを正直に話して下さったので、 あたくしも早まったことをせずに、帰ってくることが出きた。
先様は、結構デカい発注に関しての売りこみを看板に掲げていて、 テーブルの上には、今きっと、ここの事務所が一押しの女優・俳優の 写真なんかがおいてあったが、 彼らにファンクラブ? ・・・・なんとまぁ、暴力的な( ̄∇ ̄;) ファンクラブなんかなくても、キッチリ仕事をこなしている人は 沢山いるのになぁ・・・・氷山のサミットしか見ていないのかなぁ、このプロデューサー。 一発でドカンと稼げる仕事もいいけどさぁ、 別に、小さい仕事でもきちんとキャリアを積むためだったら 発注受けてもいいじゃん?
一般的には、全く無名といってもいい、そのイチオシさん達には悪いけど、 ファンクラブが出きたからといって、へらへらしてることこそ、 ヤバいんじゃないかなぁ・・・・。 チケットさばければそれでいいのかなぁ。 数字上げられればそれでいいのかなぁ。 いいモノを創る(書く・演る)っていう原点にハッと気づいたあたくしは 2度と、この事務所とは関わらない方がいいだろうと思いを固め、 もう真っ暗闇になった名古屋の街を後にした。
小さな発注でも受けているところを探そう。 その方が、精神的にも肉体的にも安全そうだし。
「所詮、名古屋の事務所」の方が、よっぽど性質が良いや・・・・(-。-) ボソッ と思わざるをえない、酷寒の1日・・・・昨日よりも今日のほうが寒くて 本当にやってられませんでした(トホホ)。
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