ブルーにこんがらかって...月人

 

 

あるはれたひに - 2004年10月07日(木)

仕事仲間が亡くなった場所に行ってみた。
ちょうど告別式が行なわれた葬儀場の前の道路で、私も普段よく通る場所だった。二車線の道路と細い道路がぶつかって「ト」の字になっている、なんてことはないただの田舎道だ。
告別式の日は雨で気がつかなかったけれど、アスファルトにはまだ血の跡が残っていて、道路脇のガードレールには幾つもの花束とジュースの缶、バイクの雑誌が置かれていた。そこに買ってきた花束を置いた。
ここへ来る前に花を買いに行った。そこで、他にも何か供えるものを買おうとして困ってしまった。
彼がいったい何が好きだったのか、全然分からなかった。
前の日記にも書いた通りで私は彼のことを殆ど何も知らなかったのだけれど、また改めてそれに気づかされてしまった。例えば音楽、本、漫画、どんなものが好きだったのかそもそもそれらに興味があったのか。食べ物、飲み物でさえどれがいいのか分からない。コーヒーは飲む子だったんだろうか。それともジュースのほうが好きだったんだろうか。供えるだけなのだから何だっていいような気もする。でも結局何も買う気になれなかった。
ここ数日の雨も上がって今日は雲も山もやけにきれいで、それが無性に悲しかった。

いつも通りにバイトに行く。突然開いたひとり分の仕事の穴はやはり大きくて、その分忙しかったりもするけれど、取り敢えず仕事はこなせている。ご飯も普通に食べるし、テレビを見て笑いもする。
それでも何かの拍子に彼のことを思い出すと、やりきれない気持ちでいっぱいになる。
親より先に死んではいけない、なんてさんざん言い尽くされたことだけれども。

付き合いが浅かったせいか自分が薄情なせいかはよく分からないけど、どうにか落ち着いてきた気がする。先日の間抜けな失敗も、一部始終をどこぞで彼が見て「相変わらずこの人はトホホだなあ」等と笑ってくれればまあいいかな、と思うことにした。
自分も、取り敢えず死ぬまでは何とか頑張って生きていこうと思う。いつまでかは分からないけれど。


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