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愛じゃなくても恋じゃなくても - 2005年02月01日(火) 『ハウルの動く城』感想。 なんだかんだで2回観に行ってしまった。映画館に何度も行くってことは殆どなくて、考えたら『踊る大捜査線』以来だ。 第一印象は、『天空の城ラピュタ』や『紅の豚』系・宮崎駿の趣味全開な映画だなと。なので、好き嫌いは分かれるだろうなと思った。 画とか技術とか音楽とかは勿論文句なしにスバラシイ。 ここしばらくのジブリ映画の、芸能人が声をあててる感じにはいつも何となく違和感を感じていたんだけど今回はそれがあまりなかった。 本職じゃない人(普通の役者さんとか芸能人とか)のあててる声はこころなしか棒読みっぽく聞こえることが多い。やっぱり実際の演技をしながらの表現と声だけでの表現ってのは違うものなんだろうな(別に極端なアニメ声が好きってことではなく)。 ともあれ今回は声もすんなり受け入れられた気がした。ドラマで見る木村氏はいつも役を自分っぽく近づけているイメージがあったのだけれど(それともこちらはいつもあてがきなのか?)、ハウルは木村氏のほうが役に歩み寄ってる感じがした。「観たいけどハウルがキムタクって…」と渋る人間が周りに数名いたけど、今回はなかなかいいよとお薦めしたい。 ソフィーにはどこか魔女の素質があるんだろう(ちなみに原作は読んでません)。呪いをかけたのは荒地の魔女だけど、彼女自身もまた自分に呪いをかけてしまっていたように思った。 ラストは一瞬ポカンとしてしまったけど、「ああこれは御伽噺だったんだね」という記号なんだろうなあ。絵空事、めでたしめでたし。みたいな。自分は出来のいい絵空事大好きなので無論オッケイです。すっぴんで楽しめる絵空事大好きですから。 「あなたを助けたい」というソフィーの台詞が個人的にタイムリーで参った(あと「私は美しかったことなんて一度もない!」と言ってしまうところも)。 改めて『ラピュタ』が好きなことに気がついた。 『千と千尋の神隠し』で千尋はハクを助けるために自分から行動を起こしたんだったなと思い出した。 それから『未来少年コナン』のコナン。 大事な誰かを守れる、助けられる強い力が欲しいと思った。 助けられたいとも思うけど、同時に助けたいとも強く思うわけで。 助けたかったのに何もできなかったことがあったから。 大事な誰かを助けたいと思うことは多くて、でも現実にはなかなか上手くいかない。自分に力が足りなかったり、相手からは必要とされなかったり。 だから、「自分の呪いも解けないくせに」「もう遅い」と言われてしまうあの夢は結構辛い。 上手くいかないからこそ、憧れるのかもしれない。パズーやコナンや千尋やソフィーのように、大事な誰かを助ける力、決して負けない強い力が欲しいと思うんだ。 -
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